つい先日のことです。この話をした時の友人の手ぶりを交えた話し方がとても面白くて、カフェで大きな声で笑ってしまいました。
皆さんも寝ている愛猫の顔を覗き込んだら、白目をむいててびっくりしたなんて経験はありませんか。
私も最初は「病気⁉」とびっくりしてしまいましたが、TwitterやYouTubeで「猫 白目」と検索すると白目をむいて眠る猫がたくさん出てきます。
そしてどの子も不気味な寝顔だけど、可愛いんですよ。
でも、白目をむきながらピクピクとけいれんまでしていると本当に病気ではないのか心配になってしまいます。
そこでこの記事では、猫の眼についていろいろと調べてみました。
猫の白目の正体はもちろん、ピクピクとけいれんしながらも寝ている真相や上手な目薬の差し方まで猫の眼のあれこれを解説していきます。
今もあなたの隣で寝ている愛猫の寝顔を観察しながら、ぜひこの記事を読んでください。
きっと「なるほど~」ってさらに愛猫の寝顔をまじまじと見つめてしまう事、間違いなしです。
目次
猫の白目の正体は?
寝ている愛猫の顔を覗き込んだら、白目になってる!
結論から言うと何も問題ありません。
この猫の白目の正体は「第三眼瞼」と呼ばれる、猫に備わっている第三の瞼(まぶた)が見えている状態のものです。
猫がウトウトと眠くなっている時に、うっかり見えてしまう膜が「第三眼瞼」の正体です。
#猫🐱
だんだん白目になっていくけど、可愛い寝る瞬間❤️ pic.twitter.com/OIDwFS2eRa— ゆーみん😸😸🐱🐱🐱 (@lv6D8hIJtUmwfOr) January 7, 2022
ウトウトしている猫ちゃんのまぶたが段々と白くなっていくのが分かりますか?
この目を少しずつ覆い隠していく膜「第三眼瞼」が、猫の白目の正体なんですね。
そして、この第三眼瞼は、短時間見えているくらいなら何の問題もありません。
しかし、長時間しっかりと第三眼瞼が見えてしまっていると、何らかのトラブルが起きている可能性があります。
では第三眼瞼をもう少し詳しく解説してから、猫の白目が病気のサインのときや寝ている時の痙攣(けいれん)のことを見ていきましょう。
猫の第三眼瞼
猫や犬などの哺乳類の多くや鳥類、爬虫類、両生類、一部の魚類には上下2枚のまぶたの他に「第三眼瞼」、別名「瞬膜」と呼ばれる膜があります。
瞬膜という言葉なら聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
瞬膜は普段はまぶたの下にしまわれていて、眠くなってきた時や瞬きをしたときに、にゅっと伸びて目を覆います。
第三眼瞼(瞬膜)の役割
瞬膜の役割は「眼球の保護」です。
瞬膜はまばたきなどで上下のまぶたを閉じた時、一緒に水平方向に閉じて眼球の表面についたゴミなどを払うワイパーのような役割をするのです。
また、瞬膜の中に「瞬膜腺」という涙を出すところがあり、これは瞬きをするたびに角膜表層に涙を広げることで、眼球を乾燥から守ります。
この涙液は涙全体の30~40%を占めるとも言われています。
第三眼瞼が現れる理由
第三眼瞼が出てくる理由はいくつかあります。
その理由は正常とされるものがほとんどです。
🐾眠そうにしているとき
猫がリラックスしている時や疲れている時に、瞬膜が見えることがあります。
ですが、猫が目を覚まして活動をし始めると、すぐに引っ込みます。
🐾鎮静剤や麻酔をかけた時
医療行為で麻酔や鎮静剤を使用した場合、極度の身体的リラックスにより瞬膜が現れます。
この効果は目覚めた後、数時間続きますが徐々に消えていくので問題ありません。
うちの子が麻酔をかけた時は...。
うちの子は大の病院嫌いです。
ですが、予防注射と健康診断のために年に一度は必ず病院を訪れます。
でもこれがかなり大変なんです。
まず、病院の建物を見ただけで「ウ~ッ」と唸りだし、中に入ると待合室にいる人間や動物、誰でも威嚇する始末。
そして獣医師さんの姿を見た時には狂ったように威嚇し暴れだすので、いつも軽く麻酔をかけられて予防接種と血液検査、全身チェックをされます。
ですから私の元に戻って来た時には本人はまだ少しウトウトしている状態なのですが、これが気持ちよさそうなんです。
それでやっぱり目は白目の状態。
しばらくするとハッとしたように正気に戻るのですが、その姿がとても可愛いのです。
でも、お会計の時は「麻酔代」という余分なものがプラスされているので、愛猫の顔を「おいっ」って見てしまうのですけど(笑)
猫の瞬膜の異常
猫の白目は第三のまぶたである「第三眼瞼」別名「瞬膜」と呼ばれるもので、特に問題はないとお伝えしてきました。
しかし、やはり中には何かしらの異常がある場合があります。
猫の第三眼瞼が長時間現れている場合は、以下の病気のサインかもしれません。
異常に気付いたらすぐに獣医師に相談しましょう。
結膜炎(ピンクアイ)
結膜は、まぶたの内側と目の前を覆っている薄く透明な粘膜の事で、この部分の炎症を「結膜炎」といいます。
結膜炎は、感染症やアレルギー、怪我、眼への刺激物によって引き起こされることがあります。
そしてこの結膜炎が原因で炎症が起こり、第三眼瞼が突出することも稀ではないのです。
角膜潰瘍
角膜は透明で、虹彩と瞳孔を含む眼球の前面を覆っています。
角膜潰瘍は角膜にできた傷で、目の痛みや炎症を引き起こし第三眼瞼が出る事もあります。
角膜潰瘍ができる原因として、擦り傷やひっかき傷、刺し傷など眼球への傷などです。
角膜潰瘍はすぐに重症化する可能性があるので、獣医師にすぐに治療してもらいましょう。
ぶどう膜炎
ぶどう膜は眼球の内側にあり、多くの血管を含んでいる膜です。
ぶどう膜炎とは、このぶどう膜に炎症が起こることを言います。
眼球が赤くなり、痛みを伴うことがあります。
緑内障
緑内障は様々な原因で視神経が圧迫・障害されることで発症します。
そしてこの病気の多くは、眼圧が上昇して痛みを伴うのです。
さらに過剰な圧力は、視神経に損傷を与え失明に至る事もあります。
緑内障に伴い、第三眼瞼に炎症が起こることがあります。
うちの子も緑内障に‼
うちの子も昨年の暮れに緑内障になってしまいました。
最初は目の色がなんかおかしいな...。という感じでしたが、なにせ極度の病院嫌いなのでちょっと様子を見ることに。
でもこれがいけなかった。
ある日、ボロボロと涙を流してばかりいて、食欲が全然ありません。
食欲がないので内臓の調子が悪いのかと思ったのですが、目を見てびっくり!
右の眼球が大きくて今にも破裂しそうになっていたので、慌てて病院へ連れて行きました。
診断するために本来なら眼圧を測ったりしないといけないらしいのですが、相変わらずの威嚇っぷりなので眼圧検査は難しいだろうと言う事でした。
しかし、見るからに緑内障の症状であることから、ほぼ間違いないだろうと言う事で今、緑内障の点眼薬と痛み止めの点眼薬で治療中です。
愛猫がいくら病院嫌いだからといっても様子を見るんじゃなかった...。
毎日愛猫に目薬を差しながら、「ごめんね」と謝る日々です。
愛猫の目が少しでもおかしいなと感じたら、絶対に様子なんて見ないですぐに病院へ連れて行ってあげてくださいね。
チェリーアイ(三眼瞼腺脱出)
第三眼瞼には分泌腺があり、これが炎症を起こして赤く腫れあがり、眼頭に丸い突起があるように見えます。
その様子がさくらんぼ(チェリー)のように見えることから、チェリーアイと言います。
ほとんどの猫では比較的まれな病気ですが、この病気の治療には手術が行われます。
ホルネル症候群
ホルネル症候群は、脳と眼をつないでいる神経線維が分断されることによって引き起こされる神経疾患です。
目や顔の筋肉に影響を与え、目が左右非対称に見えるのです。
第三眼瞼のまぶたが、片方の目で非常に目立つことが多いです。
この病気はまぶたが垂れ下がり、眼球自体が陥没しているように見えます。
愛猫の為にあなたが出来ること
猫の白目は、基本的には心配のない症状であることをお話してきました。
ですが、だからといって100%安心していると実は眼の病気だったなんてこともあるので、飼い主さんは愛猫の様子を日頃からよく観察してあげましょう。
そしてこんな症状が見られたらすぐに病院へ連れて行ってあげてください。
こんな症状・仕草に注意!
目頭辺りに赤いものが出てきている
目を気にしてこするようにしている
また、このような眼の病気にかかりやすい猫種がいます。
もし、次に挙げる猫種を飼っている方は少し、気を付けて様子を見ていてあげてください。
かかりやすい猫の種類
バーミーズ
ペルシャ
寝ている時の痙攣(けいれん)
ぐっすりと眠っていると思った猫が突然、体をピクピクとさせて驚いたことはありませんか。
もちろん、病気が隠れているピクピクもあるのですが、気持ちよさそうに寝ている時のピクピクは浅いレム睡眠の時です。
睡眠には眠りの浅いレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠の2種類があります。
そして猫がピクピクと体を震わせるのは浅いレム睡眠の時で、外的刺激があった場合や夢を見ている時なのです。
ですからもしも愛猫が寝ている時に体をピクピクさせていたら、静かに見守ってあげてくださいね。
猫は気持ち良く寝ているのですから、決して刺激を与えて起こさないように。
ただし、愛猫の様子が明らかにいつもと違うようであれば、すぐに病院へ連れて行ってあげてくださいね。
目薬の上手な差し方とコツ
猫が眼の病気になると大抵の場合、目薬が処方されると思います。
ですが獣医さんはササッといとも簡単そうにやっているのに、いざ自分がやってみると結構難しい...。
猫は「上を向いて」と言っても向いてはくれないし、無理やり羽交い締めにしたりしたらトラウマになってしまいかねません。
うちの子も毎日数回は緑内障の目薬を差すのですが、やはり嫌がります。
でもコツがわかれば大丈夫。
そこで、毎日うちの子の目薬を差している私が獣医さんから教わった「目薬の上手な差し方とコツ」をお教えしたいと思います。
ではさっそく目薬を上手く差すコツを伝授していきましょう。
猫に目薬を差す時のコツは次の3つです。
目薬の差し方のコツ
コツ❶猫の顔を上に向かせる
コツ❷猫を怖がらせないように、後ろから差す
コツ❸素早く差す
以上を意識して、いざ実践です。
step
1猫を床に座らせて後ろから抱える
🐾自分の足で猫の体を挟むように座ってください。
step
2右手を猫の頭の右側に添える。猫の体を密着させて猫が逃げないようにする
🐾目薬は右手の親指と人差し指で持っておきます。
step
3左手を猫の顔全体を包み込むようにに添えて上を向かせる。猫が逃げないように体と右手でガッチリとガードする
🐾猫の顔を包み込むと親指が猫の目の上に来るので、この左手の親指で猫のおでこを上側に優しく引っ張る。
🐾猫の目が開いたら点眼薬の先が目に触れないように気を付けて差しましょう。
ポイント目薬を差す時に、なるべく目頭に差す。
以上を動画で説明するとこんな感じです。
最初はなかなかうまくできないかもしれませんが、コツさえ掴めば猫ちゃんの目薬をサッと差すことが出来て猫ちゃんのストレスも少ないと思います。
手順や動画を参考に頑張ってみてください。
でも猫ちゃんによっては大暴れしたりして、どうしてもうまくできない時がありますよね。
そんな時にはこちらをお試しください。
こんな方法もお試しください
🐾猫の首から下をバスタオルで手足が出ないように巻く。
・この状態で上記のステップ1~3を参考にして素早く差す。
🐾2人で行う
・1人が猫の体をしっかりと保定して、もう一人が目薬を差す。
こちらも実際の様子を動画でご覧ください。
慣れないうちは2人で実施するやり方のほうが人間も猫もストレスが少なく、楽だと思います。
実際に点眼を猫に行うと、猫は恐怖のあまり暴れて引っかいたり逃げてしまったりして上手くいきません。
でも、暴れる猫と根気よく格闘していくうちにきっとあなたの愛猫の目は良くなっていくと思います。
目薬を差さなくてもよくなるその日まで、愛猫と2人6脚?で頑張りましょう。
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猫が白目をむいて寝るのは病気なの?気になる猫の眼のあれこれを解説:まとめ
可愛い愛猫の寝顔を見ることは、私たち飼い主にとっては至福の時ですよね。
でも時々びっくりするような顔で寝ている時もあるので、無防備に寝顔を覗いてしまうと「ギャッ!」となってしまうことも。
それが笑い話で終わればいいのですが、そうでなかった時に愛猫を守ってあげられるのは日頃のコミュニケーションと観察です。
あなたの愛猫のことはあなたが一番良く知っていてあげてください。
そしてもし、看病や目薬を差すことが必要になったときは「愛猫と、よりコミュニケーションが取れる」と思って看てあげてください。
愛猫との絆がより強くなっていくのを、きっと感じられると思います。
手のかかる子ほど可愛いですよ。