店頭にて、ところ狭しと並べられたキャットフード。
何気なく手にとったそれに「グレインフリー」の文字が。
なんてこと、ありませんか?
「何でもかんでも英語にすればかっこいいってもんじゃないのよ!」
と思われた方、いらっしゃらないですかね。
私はまさにそのタイプ。
なんて言ったって、ここは和の国ですもの。
「分かりづらいから、日本語で書いておいてよー」
と思うことも、正直、人生で2度や3度はあるはず。
私は面倒くさがり屋なので、カタカナ表記の単語は敬遠しがちです。
しかし分からないからと言って、正しい知識を敬遠しては元も子もありません。
さて、今回はそんな「グレインフリー」について詳しくご紹介します。
- 「グレインフリーって何?」
- 「どんなメリットとデメリットがあるの?」
- 「グレインフリーを選んだ方がいい?」
という疑問に、お答えしていきますよ。
目次
グレインフリーとは
一般的に、穀物を使用していないものを指します。
「穀物(グレイン)」を、「使用していない(フリー)」ということですね。
以下が、キャットフードによく使われている穀物です。
- 麦(小麦、オーツ麦など)
- トウモロコシ
- 米
- 大豆
- エンドウ豆…など。
ただ、キャットフードにおけるグレインフリーの定義は少し違います。
米、小麦、トウモロコシが入っていなければグレインフリー。
ですが、明確にこれと言った基準が決まっているわけではありません。
各メーカーによって細かな違いがあるため、原材料をよく確認しましょう。
グレインフリーとグルテンフリー
思わず「え?何だって?」と聞き返したくなるこの2つの言葉。
同じ単語が並んでいるだけだと思ったそこのあなた、私もです。
まるで双子のようですね。さながら一卵性といったところでしょうか。
さて、ここでの「フリー」は「不使用」を意味します。
麦類に含まれるタンパク質の一種。それが「グルテン」です。
つまりですね、こうです。
- グレイン…穀類(米、小麦、トウモロコシなど)全般のこと。
- グルテン…麦類に含まれる栄養素の一種。
グレインが「宇宙」だったら、グルテンは「地球」ってことですね。
グレインが「森」なら、グルテンは「木」ってことです。
うーん、紛らわしい。ですが万が一に備えて無駄な知識など無いですからね。
覚えて帰りましょう。
それにしても似すぎていますね。
何だか、オーストリアとオーストラリアに通ずるものがありませんか?
大人になっても未だに「どっちがどっち?」となってしまいます。
ちなみに北半球に位置しているのがオーストリア。
南半球に位置するのがオーストラリア。
このオーストラリア、なんと総面積世界第6位ですって。
広すぎて逆に想像がつきません。
「え?日本は総面積第何位なの?」
と気になったあなた。
調べましょう。ちなみに100位以内です。
「地理の話をしてないで猫の話をして」
と思ったあなた。
大変、お待たせしました。次へ進みましょう。
グレインフリーのキャットフードを選んだ方がいいのか
ではまず、結論から申し上げます。
穀物に食物アレルギーがある場合には、適しています。
そうでない場合、特別なメリットはありません。
キャットフードの原材料は、主に以下の6種類で成り立っています。
- 「肉類」
- 「魚」
- 「穀類」
- 「野菜」
- 「フルーツ」
- 「添加物」
そのうちの一つである「穀物」が欠けるということですので、当然メリットもデメリットもあります。
乳歯が抜けたら、永久歯が生えてくるメリットがありますけれど、生え揃うまではちょっと間抜けなお顔になりますもんね。
「それが良いんじゃない」
と思った全国の親御さん、さては1枚や2枚、カメラフォルダの中に該当するものをお持ちでしょう。
永久歯が生え揃ったから、と言って高みの見物を決め込んでいるあなた。
他人事じゃありませんよ。老化という過程の中で、避けては通れませんからね。
永久歯は大切にしましょう。
…というですね、歯の話をしたかったわけじゃないんですよ。
物事には必ず側面がある、ということを言いたかっただけなんです。
さて、改めまして。
一体どんなメリットとデメリットがあるのか、一緒に見ていきましょう。
メリットとデメリット
メリットとデメリットを、簡単にまとめてみました。
どうでしょう。比較すると、わかりやすいですね。
メリット
- 消化にいい
- 動物性たんぱく質が豊富
デメリット
- 下痢になりやすい
- 価格が高い
- たんぱく質の制限が必要な場合はNG→具体例…腎臓病や肝臓病を患っている猫、高齢期の猫など。
こちらに関しては、別の記事で詳しく取り扱っています。
ぜひチェックしてみてくださいね。
合わせて読みたい
グレインフリーにする必要性はあるの?
では、グレインフリーにする必要性とはどのような場合なのでしょうか。
ずばり、愛猫が穀物(米、麦、トウモロコシなど)に対してアレルギーがある場合です。
愛猫が穀物アレルギーであれば、グレインフリーは救世主のような存在でしょう。
なぜなら、自分にとって危険を持つものが入っていないのですから。
では、穀物に対してアレルギーがない場合は?
答えとしては、今まで通りで大丈夫。
無理にグレインフリーに変更する必要はないと言えるでしょう。
むしろ急に変更することで体調を崩してしまうこともあります。
わざわざ危険な目に合わせる必要はありません。
「グレインフリー」=「どんな猫にも合うフードではない」
ということを、しっかりと覚えておきましょう。
重要ポイント
猫に必要な栄養素は、体質や体調、ライフステージによって変わります。
グレインフリーのキャットフードを選ぶときの注意点
では、グレイフリーのキャットフードを選ぶ際に重要なことをお伝えします。
それはこちらの2点。
- 本当に穀物アレルギーかどうか、獣医の診察を受ける。
- アレルギーのものが使用されていないか、原材料の確認をする。
具体的にどういうことなのか、詳しく見ていきましょう。
本当に穀物アレルギーかどうか、獣医の診察を受ける
食物アレルギーが疑われる症状があらわれたからと言って、断定してはいけません。
「これは穀物アレルギーだ!間違いない!」
と思っても、やみくもにグレインフリーのキャットフードを食べさせてはだめ。
疑わしいというだけで判断するのは、いささか早計すぎるというものです。
獣医と飼い主とでは、知識と経験に大きく差があることを自覚しましょう。
これは猫に限った話ではありません。
例えば自分が、何かの病にかかったとしますね。
「これは間違いなく〇〇という病気だ!」
などと特定をし、適切な対処を施せるでしょうか。
そんな便利なことができたら、この世の中にお医者様は存在しません。
ことは重大なのです。愛猫の命に関わることですからね。
もし別の病気だったら?
穀物ではないものに対して、アレルギー反応が出ているのだとしたら?
「獣医と私、どっちが先に当てられるか競争」
をしているわけではありません。
適切な治療しなければ、かえって悪化させてしまうことにつながります。
疑わしい症状が出た場合は、必ず獣医師の診察を受け、相談をしましょう。
アレルギーのものが使用されていないか、原材料の確認をする
パッケージに記載されている原材料表示に注目。
本当に避けるべき原材料が入っていないか確認してみてください。
これは穀物に限らず、肉や魚にアレルギーがある場合も同様です。
愛猫の体調に気がかりな点があるなら、第一に動物病院へ。
獣医師の診察を受け、正しく診断してもらい、不調の原因を理解しましょう。
その上で、フード選びのアドバイスを受けるといいですね。
キャットフードはグレインフリーのものを選んだ方がいいの?:まとめ
いかかでしたか?
今回も盛り沢山でお送りしました。おさらいです。
- グレインフリーとは穀物不使用の意味。
- 穀物アレルギーでない場合は特にグレインフリーにする必要はない。
- アレルギーが疑われた場合は必ず獣医師の診断してもらおう。
- ライフステージや体質・体調にあったものを選ぼう。
愛猫の健康を守ってあげられるのは、我々飼い主だけです。
しっかりと観察して、適切な対応を心がけましょう。