野良猫のご飯の量って?地域に迷惑がかからない餌やりの方法

野良猫の「餌やりさん」がいて、カラスやハトの被害に困っています
そういった被害が極力起きないよう、適量だけでも餌を置いてあげたい!

令和の今でも根付く、野良猫問題。

あなたの近所に野良猫はいませんか?

そして、誰かが無秩序に餌を与えることで不衛生な地域になってしまっていませんか?

野良猫に餌を与え続けることで、どうなってしまうでしょう。

野生動物の猫が毎回餌を完食するとは限らず、残った食べ物をカラスやハトが荒らしに来ますね。

おいしい餌がもらえると聞きつけ、他の地域から野良猫が流れてくるかもしれません。

そしてまた繁殖し、どんどん野良猫が増えていきますね。

そう、人々の暮らしが安全で快適なものからかけ離れてしまう恐れがあるのです。

私は実家のある田舎町に野良猫集団がいても、決して餌付けはしませんでした。

一度あげてしまうと愛着が湧いてしまいますし、それが町の不衛生を生むことになると思ったからです。

しかし、痩せ細って今にも倒れてしまいそうな猫ちゃんや、餌が欲しいとすり寄ってくる猫ちゃんを無視できない気持ちも、痛いほど分かります。

そこで今日は、野良猫のご飯の量についてご紹介していきたいと思います。

適切なご飯の量を知って、町も猫も気遣う姿勢を大事にしましょう

 

野良猫にあげるご飯の量はどれくらい?

まず、野良猫にご飯をあげたい場合の適量について知っておきましょう。

ドライフードをあげる場合

飼い猫、野良猫に関係なく、ドライフードをあげることは猫の身体にも良く、食中毒なども起こしにくい安全な食べ物ですね。

適量を表で見てみましょう。

子猫の場合

子猫の月齢 適切なご飯の量(1日)
2ヵ月未満 20~30g
2~4ヵ月 30~50g
4~6ヵ月 50~70g
6~12ヵ月 70g~

成猫の場合

成猫の体重 適切なご飯の量(1日)
2.5kg未満 25~35g
2.5~3.5kg 35~45g
3.5~4.5kg 45~60g
4.5kg~ 60g~

ドライフードは総合栄養食のものも多いので、適量がわりとはっきり決められいるのが特徴です。

上記はあくまで一般的にドライフードの適量を算出したものなので、フードの種類によって細かな量を知りたい方は、パッケージ裏に記載されている情報を参考にしてみてくださいね。

キャットフードの量や与える頻度については、こちらの記事も参考にしてみてください。

猫の食事の頻度はどのくらい?一日に何回あげるか一発で解決します!

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残飯をあげる場合

猫を飼っていない方が野良猫に餌やりをする場合、おにぎりや唐揚げなどの残飯を与えるケースも多いですよね。

もちろん、人間用に作られた食べ物には塩分がたっぷり。

猫ちゃんの小さな身体にはとても大きな負担がかかってしまいます。

本来は絶対に与えてはいけない塩分の量。でも残飯をあげる人は後を絶ちません。

どうしても残飯を与えたい方のために、与えても害の少ない残飯量を算出してみました。

品目 1回に与えて良い量 1個あたりのカロリー
おにぎり 1個 約170kcal
唐揚げ 小サイズを3個程度 約40kcal
魚肉ソーセージ 1本 約130kcal
肉まん 0.5個  約250kcal
塩じゃけ 1.5切れ 約110kcal
与えても害のない…とはいっても、十分しょっぱくて猫向けではない食べ物も多いね
そうなんです。だから本当は与えない方がいい!病気のリスクも高まりますからね

 

野良猫は何日食べずに生き延びられるのか?

一般的には、子猫は半日、成猫は丸1日以上何も食べないと危険だと言われています。

一方、若くて健康な猫であれば2日程度食べなくても生きてはいけるそう。

しかし、そんなに長い時間絶食状態が続けば、当然健康な身体も脅かされることになりますから、食べない時間は短いに越したことはありません。

よって、元気に生きている野良猫は1日に1~3回くらいは食べ物にありつけている可能性が高いとのこと。

ここからは、野良猫が野良猫としてどういうふうに生きているのかを、詳しく見ていきましょう。

 

野良猫の気になる実態

昨今では、昔のように野性味あふれる野良猫の姿を見かけることは、めっきり減ってきたように思います。

人間と猫が共存しやすい社会になってきたのか、野良猫でも人に懐いたり保護してもらえる子も増えたよね

では、野良猫が日々どんなふうに生き延びているのか、その実態について見ていきましょう。

自由だけど過酷!野良猫としての生き方

野良猫って、自由気ままなイメージがありませんか?

もとは野生動物の猫ですから、狩りもできるし生活リズムがしっかりしていなくても強くたくましく生きていける…そんな印象を抱きますよね。

しかし、野良猫としての生活は私たちが思っているより過酷なものなんです。

室内飼いの猫の平均寿命が15~16年なのに対し、野良猫の寿命はなんと3~5年ともいわれています。

3分の1以下しか生きられないなんて…

食事で十分な栄養を摂ることができないという理由が大きいといわれているんです。

こんなことを知ってしまうと、野良猫に栄養のある餌を与えてやりたいと思ってしまいますよね。

私たちにできることは、そんな過酷な生涯を送る野良猫を増やさないこと。

猫を飼うなら極力室内飼い、もし外に出すなら、避妊去勢手術や予防接種は必ず行うこと。

野良猫にまつわる衝撃の事実!

小笠原諸島などでは、野良猫が地域の保護動物を捕食し、生態系に影響があるとまで言われています。

どうやって餌を探している?

まず、この記事でもお話している「餌やりさん」というのは、どの地域にもいるでしょう。

その餌やりさんから食べ物をもらって生きている野良猫は、1日に何度も食事にありつけます。

水分補給は、水たまりの水などを飲んで命をつないでいるものと考えられていますが、当然清潔な水ではありませんから、信じがたい量と種類の寄生虫が発生することもあるそう。

どんなものを食べて命をつないでいる?

餌やりさんから餌をもらえる猫は、キャットフードもしくは人間が食べる残飯を食べて生き延びているとみられています。

そうでない野良猫は、ゴミ捨て場のゴミを漁ったり、昆虫やトカゲなどを捕食したり、野鳥やねずみを捕まえることもあるかもしれませんね。

もともと肉食の野生動物なので、お腹が空いたときに狩りに出て食べ物を得ることが多いと考えられています。

ときには、人間が見ていないところで餌やりさんがくれた残飯を食べに来ている…なんていう野良猫もいるようです。

猫は気位の高い生き物だし、特に野良猫は人間には近寄らないから、コソコソ残飯を食べている可能性も高いです

野良猫って、餌やりさんが餌をくれてもその場では絶対に食べなかったり、人間の姿が見えなくなってからガツガツ食べ始めたりする子も多いんです。

食べ物は欲しいけれど、人間のことは警戒もしているし、人間よりも自分たちのほうが格上だと思っています。

そんな野良猫たちも、生きていくためにいつも一生懸命なんですね。

どうして野良猫になった?

野良猫が野良猫として生きていくことになった背景は、十人十色でしょう。

よくあるケースは、

  • 人里離れた山などに捨てられた
  • 野良猫同士で繁殖活動があった

など、元を辿ると人間の身勝手な行動が発端であるケースが多いようです。

それが長い期間続き、繁殖活動によってどんどん増えてしまうんですね。

どうして野良猫は太らないの?

太った野良猫って、あまり見かけないと思いませんか?

飼い猫よりも食事にありつける頻度が少ないというのもあるでしょう。

一番有力な理由は、野良猫は摂取カロリーを消費カロリーが大幅に上回る生活をしていることなんです。

私が以前飼っていた猫は室内飼いで、どうしても運動不足になってしまいがちでした。

いわゆる「食っちゃ寝」状態だったんですよね。

ところが野良猫は、いつも町を徘徊しては食べ物を探し、1日中動き回っていることも多いでしょう。

決して運動不足にならない野良猫ならではの、スリムな身体だったんですね。

知ってる?「地域猫」と「さくら猫」

昨今では、野良猫という呼び名の他に「地域猫」そして「さくら猫」と呼ばれる猫も多く存在しています。

この2つと野良猫の違いは何なのでしょうか?

野良猫とは

野良猫は、みなさんもご存知の通り飼い主のいない猫のこと。

首輪を着けずに町を放浪している猫は、野良猫である可能性がありますね。

地域猫とは

一方、地域猫と呼ばれる猫も増えてきています。

地域猫は、基本的には野良猫と同じように町を徘徊しながら生きる自由な猫。

しかし、地域のボランティアさんたちが協力して面倒を見ているという点が、野良猫とは大きく違っています。

いわば、地域で飼われている外飼い猫ちゃんといったところでしょうか。

完全に飼育されているわけではないので、トイレや寝場所などは自由。

でも、決まった時間に決まった場所で食事が出され、予防接種などの健康面も保証されています。

正直、家でのんびりするよりも外を自由に駆け回りたい!という一部の猫にとっては、一番ありがたい生き方なんだニャ

さくら猫とは

そして、さくら猫というのは地域猫から派生した呼び名で、地域猫のようにボランティアさんに面倒を見てもらい、避妊去勢手術を受けた猫のことを言います。

手術を受けたという証のため、片耳の先にV字の切り込みが入れられるのです。

その形が桜の花びらのようだという由来から、さくら猫と呼ばれるようになったそうです。

 

地域によって様々!野良猫への対応

意外かもしれませんが、「野良猫がいる地域は住みやすい」と言われているんです。

野良猫がたくさんいると不衛生なのでは?

町自体が汚いのでは?

と、あまり良い印象を抱かない人もいるかもしれませんが、野良猫がいる町が住みやすいと言われているのにはこんな理由がありました。

なぜ野良猫のいる町は住みやすいの?

  • 野良猫を世話してくれる住人が多いということなので、世話好きで親切な人が多い
  • 野良猫と人間が共存するために、生活の知恵が備わっている
  • 野良猫の避妊・去勢手術の費用を負担してくれる地域もある

なるほど、その町に住む住人の人柄や、行政の寛大さが表れているのですね。

 

野良猫に餌をやる「餌やりさん」に伝えたいこと

餌やりさんの中には、大きく分けて2パターンの人がいるそう。

1つ目は、決まった時間に決まった量のご飯を与える地域猫餌やりさん。

地域猫のお世話というルールにのっとって、適切な方法で餌をあげる人のことです。

そして2つ目が無責任な餌やりさん。

地域猫などではないけれど、「可愛いから」「可哀相だから」という理由で無責任に餌を与え続ける人のことです。

地域のルールを守らず、無責任に餌やりをしている方にはもう一度立ち止まって考えてほしいことがあります。

不特定多数の猫に餌やりを続けることで、野良猫はどんどん増えていきます。

野良猫が増えることで、地域猫やさくら猫として町全体の猫ちゃんになったりする微笑ましい展開もありますが、全部の猫ちゃんが幸せな道を歩めるとは限らないのです。

野良猫を増やさないために…

  • 自分で面倒を見ることができる数の猫ちゃんだけお世話してあげてください
  • 餌をやるだけで満足せず、地域猫として町全体で責任を共有するなどはたらきかけてみてください
  • 避妊・去勢手術をせずに猫たちが繁殖することで、起こりうる町の未来を想像してください

餌やりさんの優しい気持ちが踏みにじられることのないよう、そしてすべての猫ちゃんが幸せに生きられるよう、進展を祈っています!

キャットフードを野良猫にあげるなら必ずやってほしいこと。

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野良猫のご飯の量って?地域に迷惑がかからない餌やりの方法:まとめ

今回は、野良猫のご飯の量についてまとめてみました。

あわせて、野良猫がどういうふうに食べ物を得て生き延びているのかも、お分かりいただけたのではないでしょうか。

今も根付く野良猫問題は、猫ちゃんが生き延びていくための課題や人間の良心が招く、切ないけれど解決に向かわせなければいけない大事なテーマですよね。

餌やりで町が不衛生になったり住民が迷惑するのであれば、国や地域が一丸となって猫と共存しやすい社会を作り上げていくのが最善策な気もします。

そんな簡単なことではないと分かっているけど、ボクたちも元気にのびのび生きたいのニャ

野良猫に餌をあげたいと思っている人の参考になれば、嬉しいなと思います。

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