皆さんはこの後、どんな言葉が続きますか?
「でも、期限が切れているなら捨てようかな」
それともこうでしょうか。
「そうだ、もったいないし、寄付しよう!」
あなたはどちらでしたか?
「捨てるのがもったいないものは寄付に回そう」
というイメージがある方も、いらっしゃるかもしれませんね。
そこで今回は、こんな疑問にお答えしていきます。
- 「賞味期限が切れたキャットフードって、寄付できるの?」
- 「そもそも賞味期限って、切れても大丈夫?」
- 「キャットフードの賞味期限の目安が知りたい!」
上記にひとつでも当てはまった方は、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
目次
賞味期限切れのキャットフードの寄付について
結論から申し上げます。
賞味期限切れのキャットフードの寄付を受け付けている団体はありません。
なぜなら、安全性に欠けるから。
キャットフードで寄付を考えるのであれば、最低でも賞味期限にゆとりがあるものが良いですね。
「〇月〇日までの締め切り」
「〇〇円の貯金残高」
「〇時〇分に待ち合わせ」
この世の数字で表されている大概のものは、多少ゆとりがあった方がいいというものです。
賞味期限も例外ではありません。
なんていったって、身体に入るものですからね。
では、賞味期限切れのキャットフードは、どういった点で安全性に欠けるのでしょうか?
ここから具体的に迫っていきましょう。
賞味期限切れのキャットフードが危険な理由
「そもそも賞味期限の切れたキャットフードって、食べても大丈夫?」
と思った方へ。
賞味期限切れのキャットフードを食べるのはあまり好ましくありません。
もちろん保存状態や開封の状態によっても異なります。
そのため一概にこう、と断定することはできません。
しかし安全と危険、どちらかと問われれば、圧倒的に後者です。
では、賞味期限切れのキャットフードを食べると起こりうる危険とは?
具体例とその要因を以下にまとめてみました。
栄養が不足してしまう。
→賞味期限が切れたものは品質が低下しているから。
体調を崩しやすくなる。
→栄養素が劣化しているため、下痢や嘔吐の原因になってしまう。
共通して、品質の低下や劣化が見受けられますね。
いったい、どうして?
それは「酸化」という現象が起こるから。
さあ、ここで酸化をおさらいしておきましょう。
酸化…空気中に含まれる酸素と、物質が結びついて変質すること。
何やらイメージが難しいという方は、お持ちの雨傘を確認してみて。
雨傘の針金部分、持ち手、どうですか?
サングラスが必要なほどピカピカですか?
そうです。
「赤茶色で、ざらっとした手触りのあれ」
それこそが酸化の副産物。
酸化すると、日用品であれ、食品であれ、品質が劣化していくのです。
つまり食品の場合、栄養素が100%のパフォーマンスを披露できずに終わり、猫への栄養が不足。
加えて、消化不良による嘔吐、下痢などの不調が起こる、というわけですね。
「もったいない」
と感じても、処分して、新鮮なものを与えるようにしましょう。
要注意
開封、未開封にかかわらず、「酸化」は起こります。
違いとしては酸化の進行が早いか遅いか、強いか弱いか、くらい。
酸化したキャットフードの危険については、こちらで詳しく取り上げていますので要チェック。
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賞味期限と消費期限
よく間違えやすい両者。
賞味期限…「美味しく食べることのできる期間」
消費期限…「安全に食べることができる期間」
人生で一度は見る四文字ですね。
個人的には、四字熟語より見る機会が多いと思います。
今更これを確認することにこう思われた方、いらっしゃるのでは?
「いやいや何年人間やってると思ってるの。馬鹿にしてる?」
と思った方。いやはや、お手間を取らせてすみません。
「一応確認しておこうかな。一応ね、一応」
と思った方。そうでしょう、そうでしょう。確認は大事です。
「記事を書いてるあなたに付き合ってあげましょう」
という方。おお、優しさが沁みますね。ありがとうございます。
さて、なぜ確認したかというとですね、ちゃんとわけがあります。
「消費期限が切れてるから食べれないや」
ということ、ありますよね。
では、こちらは?
「賞味期限が切れてるけど、まあ、良いか。食べちゃおう」
どうでしょうか。
おそらく、少なくとも10人中、1人は該当する方がいらっしゃると思います。
キャットフードは、ほとんどが「賞味期限」です。
したがって、消費期限よりも安全だと思いがちになる傾向があるのです。
しかし先述した通り、愛猫にとっては危険をはらむもの。
「賞味」だから大丈夫、という認識を改めて、愛猫に接しましょう。
Q&A
Q.「キャットフードの賞味期限が切れたらすぐに食べられないの?」
A.保存状態によって異なります。
「賞味期限切れでも○日間は大丈夫」とは言い切れません。
同じように、「賞味期限が切れてないから大丈夫」とも言えないのです。
このような事態を防ぐための回答としてはこちら。
「食べ切れる量か、食べきりサイズのものを購入する」
これに尽きます。
もちろん、賞味期限が切れたものを食べるのが自分ならいいんです。
実際、私だってよくやりますからね。
お腹を壊したり、体調不良を起こしても、それは自業自得というもの。
しかし、愛猫は違います。
彼らは餌を選べません。
食事を与える権利が、我々飼い主にあるからです。
「もし自分が、猫の立場だったら?」
と、胸に手をおいてよく考えてみましょう。
キャットフードの賞味期限の目安
目安を知る前に、賞味期限の抑えておきたいポイントはこちら。
- 「開封前」と「開封後」か
- ドライフードかウエットフードか
- 保管状態はどうか
なぜ、ドライフードとウエットフードで違うのでしょう?
ずばり、含まれる水分の量と、容器が違うからです。
ドライフード
水分含有量…約10%
容器の形状…袋
→保存状態が悪いと品質が低下に。
ウェットフード
水分含有量…約80%
容器の形状…密封された容器(パウチや缶詰など)
→長期間、品質を保てる。(※ただし未開封の場合)
さて、お待たせしました。
ここからはタイプ別にまとめましたので、参考にしてみてください。
ドライフードの賞味期限の目安
開封前の場合
約1年~1年半
ただし、人工の酸化防止剤・保存料が使われていないものは賞味期限が短いので要注意。
また、未開封でも保存状態が悪いと品質が落ちる速度が早まります。
直射日光と高温多湿を避けるなど、保管方法に気を付けましょう。
開封後の場合
1ヵ月前後
空気に触れることで酸化が進み品質はすぐに低下。
開封後は密閉容器真空保存して。
ウェットフードの賞味期限の目安
開封前の場合
約2年~3年
缶詰は製造日から約3年
パウチは製造日から約2年
開封後
約1日。
開封後のウェットフードの賞味期限は、缶詰もパウチも1日以内。
水分量が多いため、腐敗や雑菌の繁殖が生じやすいです。
必然的に、品質が劣化する速度が早いため注意が必要。
食べ残したウェットフードを放置しておくのは避けましょう。
ラップをかけて冷蔵保存するなど工夫をしてくださいね。
冷凍保存しても大丈夫ですよ。
その場合は、3週間を目安に。
そうでない場合は絶対1日以内に使い切てましょう。
寄付をする上で忘れてはいけないこと
冒頭でお伝えした通り、賞味期限切れのキャットフードはどこの団体でも受付を行っていません。
当記事を読んだ方なら、その理由がお分かりだと思います。
また、賞味期限が切れていないものを寄付するにしても、必ず寄付先の確認を取る必要があります。
詳しくはこちらでお伝えしていますので、寄付を考えている方は目を通しておきましょう。
「捨てるくらいなら、寄付した方がいいよね」
と、思われる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろんそれは間違いではないですし、立派なことだと思います。
でも、「もしも」と考えて、一度立ち止まることも大事なこと。
「もしも自分が、それを受け取る立場だったら」
例えば今回のような場合はどうでしょう。
危険だと分かっているものをわざわざ食べることは、しないですよね。
「自分がされて嫌なことは、他の人にもしない」
というのは、生きる上で欠けてはいけない、大切なことだと思います。
相手への配慮や、敬意を忘れずに行動していきましょう。
キャットフードが賞味期限切れ!寄付してはいけないのはなぜ?:まとめ
さて、今回のおさらいポイントはこちらです。
- 賞味期限切れのキャットフードは寄付できない。
- 賞味期限切れのキャットフードを与えると猫は体調を壊してしまう。
- 食べ切れる量か、食べきりサイズのものを購入することで賞味期限切れを防げる。
- 賞味期限の目安は「開封前と開封後」「種類」「保存状態」で異なる。
「寄付」と聞くと聞こえは良いですが、自分の厄介を押し付ける行為でないかをよく確認しましょう。