初めて猫を飼おうとして知人や保護猫カフェに相談したら、2匹飼いを勧められた人もいるんじゃないでしょうか。
実際私もブリーダーに相談したら「姉妹で仲が良いから」と2匹同時に譲り受けることになりました。
不安や大変なこともありますが、2匹でじゃれあっている姿にかなり癒されています。
ただし2匹飼ってみて「自分に合わなかったから」といって途中で辞めることはできません。
必ず事前に自分のライフスタイルや考え方に合っているかを確認することが大事です。
今回は猫の2匹飼いをして分かったメリットとデメリットを紹介します。
後半では猫初心者が『2匹飼いをするときの注意点』や『猫同士の相性を考えるポイント』もお伝えします。
猫の2匹飼いがどんな人に合っているかをイメージでき、飼い主に合った猫の数を選択できるような内容となっていますので、是非最後までごらんください。
自分の生活に合った猫の数を選択し、より充実した猫ライフを送りましょう。
目次
初めてなのに猫を2匹飼うことを勧められる理由
2匹同時に猫を飼い始めることは、運動不足が解消できたり、猫同士で加減を学ぶことができるという点で人気を集めています。
保護猫や周囲から猫をゆずりうける時「2匹同時に飼い始めるのが良い」という話を聞いたことがある人もいるんじゃないでしょうか。
そんなふうに思っちゃいますよね。
実は条件さえ合えば2匹同時飼いはメリットも豊富なんです。
とはいえ初めて猫を飼おうとしている人にとって、突然2匹飼い始めるなんてなかなか考えられないですよね。
私もブリーダーから姉妹猫を2匹ゆずりうけることになりましたが最初は不安でした。
でも2匹とも穏やかに育ち、仲良く過ごしている姿を見ると幸せな気持ちになれるんです。
今ではもう1匹増やしましたが、先住猫2匹の中が良いのでのんびり育つことができました。
条件さえ整えば猫の2匹飼いは猫初心者さんにもおすすめですよ。
猫初心者が2匹飼いをするメリット・デメリット
猫を初めて飼うというだけで心配なのに、いきなり2匹飼うなんて不安もひとしおですよね。
まずは猫を初めて飼う人が2匹同時にお迎えするメリット・デメリットをしっかり把握して2匹飼いのイメージを膨らませてみましょう。
メリット
猫2匹飼いのメリットは以下の4つ。
- 噛み癖がなおる
- 社会性が育つ
- 運動不足解消
- 2匹でいる姿に癒される
それでは1つずつ解説していきますね。
1.噛み癖がなおる
猫同士でじゃれあったり、ケンカしたりする中で力の加減を学ぶため『噛み癖』がなおります。
……子猫を1匹で飼い始めた人の中にはこのように悩む人も。
メモ
猫はもともと子猫の時に、兄弟や親とケンカする中で力加減を知り、噛み癖をなおしていくのです。
特に生後5カ月くらいまでの猫の場合は、まだ噛み癖がなおっていない可能性が高いので注意しましょう。
子猫の時にお迎えする場合は、2匹同時にお迎えすることでお互いに力加減を知り『噛み癖』をなおすことができます。
2.社会性が育つ
猫の社会性は他の猫と過ごすなかで育ちます。
他の猫との適切なコミュニケーションの取り方を学び、絆を作る方法を知るのです。
猫の社会性が育つ時期は生後2週間~3カ月にかけてといわれています。
子猫の時に1匹で育つと、社会性が身につきづらく他の猫が苦手になることもあるんですよ。
子猫を迎えるときは、2匹同時であれば社会性を身に着けることができます。
3.運動不足解消
猫同士で遊ぶことで運動不足からの肥満を防ぐことができます。
室内飼いの猫の場合、飼い主の留守時間が長いと暇を持て余し、昼寝で退屈を紛らわそうとします。
日中ずっと外出していることが多い飼い主さんの場合は、1匹飼いの猫はほとんど寝て過ごすことになりかねません。
運動不足になれば、肥満にもつながりますので心配ですよね。
猫が室内に2匹いれば、たまにじゃれあったりして、エネルギーを発散することができるので運動不足や肥満を解消しやすいのです。
またテレワークなどで在宅にいながらも猫の相手ができないという時にも、2匹で遊んでいてくれるので助かりますよ。
2匹飼いすれば猫同士で遊んでくれるから、猫の運動不足や退屈感を解消できます。
4.2匹でいる姿に癒される
猫が2匹が一緒に過ごす姿にかなり癒されます。
私は癒し効果が極めて高いことが1番のメリットだと思っているくらいです。
2匹でじゃれあっていたり、2匹同時に足元にやってきたときなんかは、至福の時間を過ごすことができますよ。
2匹でじゃれあっている姿はかなりの癒し効果があります
デメリット
次にデメリットについて説明します。
猫2匹飼いのデメリットは以下の5つ。
- 経済的負担が大きくなる
- 世話の手間が増える
- 家の損傷が多くなる
- ペット2匹可の賃貸物件が見つかりづらい
- 災害時の避難がスムーズにいかなくなる
これらを知らないで2匹飼い始めてしまうと、後悔することになりかねないので、しっかり確認しましょう。
1.経済的負担が大きくなる
2匹いれば1匹あたりにかけるお金の2倍の費用がかかると、覚悟しておくとよいでしょう。
実際には猫砂やごはんなどをまとめ買いすることで、安くすませることもできます。
ただし注意しないといけないのが医療費です。
ワクチンだけでなくシニア猫になったら病気の可能性も高くなり医療費もかさみがちになります。
2匹同時に病院にかかるときもあるかもしれませんよね。
一般社団法人ペットフード協会が発表している『2022年飼育コストの変化』によると、室内飼いの猫の場合1匹にかかる生涯の平均費用は1,301,776円です。
もっとイメージしやすいように言うと、毎月かかるキャットフードや猫用おやつの費用だけで、1匹あたり毎月4,072円が平均とされています。
つまり2匹飼いだと食費だけで月8,144円の出費がかかるのです。
猫を2匹飼いすることで、かかる費用が2倍になります。
2.世話の手間が増える
2匹になればトイレの処理や抜け毛の掃除なども2匹分行うことになります。
▼以下のような場合は特に大変になります。
- 飼い主が高齢になり2匹の世話が大変になる
- 毛の長い猫だと掃除機が壊れる可能性も
3.家の損傷が多くなる
猫は家を引っかいたりして、家の損傷をまねくことが多々ありますが、2匹になれば単純に2倍の損傷が考えれます。
さらにケンカをしたり、去勢していないオス猫がもう1匹をけん制するためにスプレー(尿のにおいを使ったマーキング)することで、2倍以上汚れる可能性もあります。
4.ペット2匹可の賃貸物件が見つかりづらい
ペット可の賃貸物件の中には「1匹のみ大丈夫ですよ」という物件もあります。
そのため知らずに2匹飼いすると規約違反となってしまう可能性も。
持ち家の一軒家に住んでいる場合は問題ないのですが、賃貸物件の場合は規約を守らねばなりません。
もし賃貸暮らしで猫を2匹飼いしたい場合は、ペット共生住宅や多頭飼いもできる賃貸物件を探しましょう。
ただし転勤などで引っ越しをするときに、物件が見つかりづらい可能性があるということは頭に入れておかなくてはいけません。
5.災害時の避難がスムーズにいかなくなる
地震や洪水などの災害で避難所に逃げるとき、2匹いると避難が大変になります。
1匹ならキャリーバック1個で済むのですが、2匹いればキャリーバック2個を抱えていかねばなりません。
同居の家族が居れば分担できるので負担を分散できますが、独り暮らしの場合は1人で抱えていくのが物理的に可能なのか不安ですよね。
災害時の避難用に必要な資材を用意し、あらかじめ避難行動をイメージしておくと良いでしょう。
また災害時の脱走防止に猫用ハーネスを用意しておくのもオススメです。
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猫初心者が2匹飼いをするときの注意点
初めて猫を飼う人にとっては、猫に触れあったことがなく、どんな点に注意すればいいかイメージできない人もいるのではないでしょうか。
そこで猫を初めて飼う人が2匹の猫を同時にお迎えするときに注意するポイントを紹介します。
▼猫2匹飼いの注意点は以下の3つです。
- 愛情は平等にそそぐ
- 本当に2匹のお世話できるかを考える
- 避妊・去勢がベスト
1.愛情は平等にそそぐ
社会性のある猫にとって、飼い主からの愛情は大切なものです。
1匹の場合は、その愛情を一身に受けることができるので問題ないのですが、2匹の場合はどちらかに偏らないように気をつけましょう。
猫にとっては同居猫との仲よりも、飼い主からの愛情が大切なのです。
遊んだり、なでることや食事の順番等、なるべく平等になるように注意しましょう。
2.本当に2匹のお世話ができるかを考える
メリット・デメリットの部分でもお伝えした通り、猫の2匹飼いにはメリットだけなくデメリットもあります。
▼デメリットには以下のようなことがありましたね。
- 経済的負担が大きくなる
- 世話の手間が増える
- 家の損傷が多くなる
- ペット2匹可の賃貸物件が見つかりづらい
- 災害時の避難がスムーズにいかなくなる
これらのデメリットと自分や家族のライフバランスを照らし合わせてみて、本当に2匹飼いが可能かどうかをしっかり考えることが大事です。
命に係わることなので、1度お迎えしたら責任が伴うことを念頭において考えましょう。
3・避妊・去勢がベスト
1匹飼いにも言えることですが、2匹以上の多頭飼いの場合は特に避妊・去勢が必要になります。
メス猫は生後4~12カ月で子猫を産めるようになります。
猫は1回の出産で4~8匹の子猫を産むので、ほおっておくと年間で10匹以上の子猫が産まれることに。
猫を2匹以上同時に飼った場合、オスとメスが混ざっていれば、猫がどんどん増えてしまいます。
▼また避妊・去勢をすることで以下のメリットがあります。
オス…スプレー行為が無くなりオス同士でも仲良くなる
メス…発情期鳴きを抑えることができる
去勢していないオス同士は縄張り意識が強く仲良くなるが難しいといわれています。
また春先になると、去勢していないメスは発情鳴きをしますが、一晩中大きな声で鳴き続けるメスもいるんです。
避妊・去勢することでこのような事態を防ぐこともできるのです。
万が一外に出てしまった時の思わぬ妊娠も防ぐことができますよ。
住環境を整えて初めてでもストレス無く2匹の猫を飼おう
猫を2匹お迎えすることが決まったら、まずは環境を整えましょう。
猫はもともと単独で過ごすことを好む傾向にあります。
特にオスは縄張り意識が強いため、猫1匹ずつテリトリーを確保することがかなり大事。
ここではそんな住環境の整え方のポイントを紹介します。
- トイレを3つ用意する
- ご飯・水もそれぞれの分を
- 2匹の猫それぞれの空間を確保
それでは、1つずつポイントを見ていきましょう。
トイレを3つ用意する
多頭飼いの場合、トイレの数は猫の数+1個を用意することが原則です。
猫はトイレへのこだわりが強く、トイレから他の猫のにおいがするのを嫌がります。
また猫はとてもキレイ好きなので、排泄物が放置されていると強いストレスとなってしまうのです。
猫を2匹飼いする場合は、猫用トイレを3つ用意してこまめな掃除を心がけましょう。
ご飯・水もそれぞれの分を
猫を2匹飼いする場合は、ご飯は2個、水は多めに設置してあげましょう。
猫の縄張りの広さの基準は『どれくらいの範囲で自分の食料が確保できるか』ということで決まります。
つまり食べ物に困らないように環境を整えてあげることで、縄張りの範囲が狭くなり、猫同士の居場所をめぐった争いを防ぐことができるのです。
きちんと2匹それぞれの食事を用意してあげることで、不用な争いを防ぐことができます。
2匹の猫それぞれの空間を確保
2匹の猫それぞれに空間がすみ分けられるようにしてあげましょう。
リビングとダイニングなど、1匹につき1部屋ずつ分けてあげられたら理想です。
部屋数が無い場合は押し入れを利用するのも手ですよ。
またキャットタワーを使い空間をうまく利用して猫の居場所を増やしあげることもできます。
2匹の猫の相性を確認してから飼おう
猫を2匹同時にお迎えする場合、気になるのは『猫同士が仲良くなれるかどうか』ではないでしょうか。
猫がお互いに仲良くなるめに、どんな猫の組み合わせを選べばいいかを紹介します。
- 性別を考える
- 年齢差を考える
- 猫同士の相性を確認する
それでは1つずつ見ていきましょう。
性別を考える
猫を2匹飼う場合、性別の組み合わせで関係性が変わることがあります。
オス同士
オス同士の場合は縄張り意識が強くケンカをしたりスプレー行為をする可能性があります。
野生の場合オスはメスを取り合うもの同士なので仲良くなることはありません。
ただしオスは去勢することで以下のように変化します。
メモ
1.性格が穏やかになる。そしてケンカが減る。
2.相手を選り好みすることなく雄同士でも親密になる。
引用:猫のための家庭の医学(野澤延行 著)
以上のようにオス同士は縄張り意識が強く衝突する可能性があるものの、去勢することで親密になれることもあります。
オス同士でお迎えするなら、兄弟猫か子猫同士でお迎えするとなお良いでしょう。
子猫のうちであれば、縄張り意識も強くなく、じゃれているうちに仲良くなれますよ。
メス同士
オスのように縄張り意識がつよくなくないので、姉妹などで仲の良かったメス猫2匹を迎えれば、つかずはなれずの良い関係が築けます。
もともと野生のメス猫は、群れになって暮らすことが多いのです。
ただし群れで暮らすとはいっても、1匹でいる時間も大事なので、1匹ごとのスペースの確保はしっかりと取りましょう。
私の飼い猫も最初は姉妹のメス猫2匹でした。
私が遊べない時でも、2匹がお互いにじゃれあう姿がみられましたよ。
退屈せずに運動不足の解消につながっています。
ただし初見の成猫のメス2匹を迎えると、相手にライバル心を持つメス猫もいるので仲良くなれない可能性があることは覚えておきましょう。
オス・メス
避妊・去勢を済ませたオスとメス2匹であれば、比較的トラブルなく穏やかに過ごせるといわれています。
最も仲良くなれる組み合わせとの声も。
ただし交配の予定がない場合は、必ず避妊・去勢手術を済ませましょう。
年齢差を考える
年齢差はなるべく空いていない方がいいでしょう。
最大でも4~5歳の年齢差にとどめておくといいですよ。
例えばシニア猫と子猫の組み合わせだと、子猫の元気さにシニア猫がやられてしまう可能性があります。
年齢が近いことで同じようなテンションで遊べるので、2匹がお互いにストレスなく過ごせるでしょう。
猫同士の相性を確認する
2匹飼いをする場合は、猫同士の相性が合っているかを確認しましょう。
- お互いに社会性があり猫好きな性格
- お互いに孤独な時間を好む性格
このように猫同士の性格が似ていると、良好な関係が築けるといわれています。
猫同士の相性のまとめ
▼2匹の猫同士の組み合わせによる相性をまとめました。
組み合わせ | 相性 |
成猫メス×成猫メス | △ |
成猫オス×成猫オス(去勢済み) | 〇 |
成猫オス×成猫メス(避妊・去勢済み) | ◎ |
子猫×子猫 | ◎ |
子猫×シニア猫 | × |
猫好き×猫好き | ◎ |
独り好き×独り好き | ◎ |
猫好き×独り好き | × |
2匹の場合は子猫のうちから飼えたらスムーズですよ。
私のうちの猫2匹もメス猫同士ですが、もともと姉妹猫で子猫の時から一緒に過ごしていたからか、良い関係を築けています。
猫1匹と2匹どっちを飼うのが良いかは状況によって違う
猫を初めて飼う人が、猫を1匹飼うか2匹飼うか悩んでいる場合は、自分のライフスタイルに合っているかという視点で考えてみると良いでしょう。
1匹飼いが向いている人
このような人は1匹飼いが向いています。
- 猫と一緒にたっぷり遊びたい
- 独り暮らしの賃貸住宅で引っ越す可能性もある
- 金銭的負担をおさえたい
- 世話をする労力を最小限にしたい
2匹飼いが向いている人
次のような人には2匹飼いが向いているでしょう
- 在宅ワークや外出が多いので猫同士で遊んでほしい
- 持ち家の一軒家で猫のスペースも確保できる
- 独り暮らしだけどペット2匹可で引っ越しの予定もない
- 猫にかかるお金の負担も大丈夫そう
- 猫が2匹で遊んでいる姿を見たい
もっと猫初心者の2匹同時飼いについて知りたい
猫の2匹飼いのメリット・デメリットや注意点などについてお伝えしました。
そうは言っても、猫初心者には「2匹いるイメージがわかない……」と思う方もいるのではないでしょうか。
そこで具体的に2匹飼いのイメージができる動画と漫画を紹介します。
Youtube
空き家で保護されたキリンちゃんとケイちゃん(メス猫同士)の動画です。
こちらのYoutube チャンネルでは2匹のその後の暮らしも見れますよ。
猫の2匹飼いのイメージがかなり沸くかと思いますので、是非ご覧ください。
漫画
『こねこのドレイ』
著:長谷川ろく
ねこ初心者がいきなり2匹を飼う状況に不安を覚えつつ、新しい生活がスタート。
兄妹で性格が真逆の2匹に翻弄されながらも、その愛らしさに癒され、かけがえのない幸せな毎日が訪れる。
引用:Amazon販売ページ
猫を全く飼ったことの無い状態で勧められるがままに2匹の猫を飼い始めたお話。
2匹と1人の生活がコミカルに描かれているので、楽しく2匹飼いのイメージを膨らませることができますよ。
猫を初めて飼うのに2匹飼いってできる?メリットデメリットを紹介!:まとめ
初めて猫を飼う人が2匹同時にお迎えするメリット・デメリットやポイントをお伝えしました。
メリットは猫同士で遊んでくれ、遊びの中で噛み癖が治っていくことと2匹の姿に癒されることです。
デメリットは経済的負担や家の損傷が増えること、賃貸物件が見つかりづらかったり災害時の避難がスムーズにいかないくなることがあげられます。
猫の2匹飼いはメリットもありますが、デメリットや向いていない人もいます。
責任も伴いますので2匹飼いの注意ポイントや住環境を確認し、自分や家族のライフスタイルで2匹飼いが可能かどうかをしっかり確認しましょう。
猫の2匹飼いのイメージがわかない人は、紹介したYoutube動画や『こねこのドレイ』という漫画が2匹飼いの生活がリアルに分かるのでおすすめです。