お散歩していると街角で色んな猫を見かけますよね。
どの猫もシルエットだけじゃなくてその仕草と動きがたまらなくかわいいです。
たまに体の色は薄いのに顔の真ん中が濃くて黒い靴下を履いているような、
シャム猫?似てるけど雑種かな?という子を見かけることもあります。
宝石みたい青い目をしていてきれいだなー。
・・・あれ?体型ががっしりしてる?
なんだか毛が長い!
シャム猫だけど雑種?!
と二度見、三度見してしまいます。
シャム猫とは
シャム猫はタイ原産で、「幸せを呼ぶ猫」といわれ王朝で大切に育てられていました。
タイのイギリス大使が帰国する際にシャム猫を譲り受け、イギリス王室に献上されて世界に広まっていったそうです。
日本には明治時代に入ってきました。
クリーム色の体に顔、耳、足、しっぽに色のついた、ほっそりしたモデルのような体型の短毛種です。
神秘的なサファイアブルーの目で、気品が備わっている印象があります。
日本では純血種の代表格で1960年頃に人気の高かった猫種です。
やっぱりシャム猫って高貴で、暖炉のそばにロッキングチェアがあるような、裕福なお家で飼われているというイメージを持っています。
私の偏見でしょうか。
街で見られるシャム猫
そんな高貴なシャム猫がなぜか街で見かけられています。
里親募集のサイトでもシャム猫のような保護猫が掲載されているのを見ることがあります。
なぜシャム猫のような保護猫が存在するのでしょう。
調べてみるとその理由が分かりました。
かつて日本では今のように室内飼いが一般的ではなかったので、血統書付きの猫でも外で放し飼いにされていました。
シャム猫はとても繁殖力が高いそうです。
不妊手術も一般的ではなかったので飼い猫のシャム猫が外で日本の猫たちと交配してシャム猫の柄をした雑種の猫が生まれるようになったようです。
そういえば私が子供の時に拾った猫は自由に家と外を出入りして、ネズミとかハトをお土産に持って帰ってきていました。
現在飼っているキジ白猫も雑種ですが、事故や怪我、病気やマダニなどが心配で外に出すのはちょっと躊躇します。
今は飼われている猫はほぼおうちの中にいて、外にいるのは地域猫や野良猫が多いです。
時代とともに猫の飼い方も変化しているようですね。
人間が作り出したシャム猫の雑種
タイ王朝から続くシャム猫の長い歴史の中で、純血種であるシャム猫からほかの猫と交配してたくさんの雑種がいることが分かりました。
その中でも、シャム猫と確かな血統の猫を交配させて新しい猫種として人間が確立させたシャム猫ミックスもたくさんいます。
作為的に作られたものなのか、偶然生まれた柄なのか、複雑な心境です。
オリエンタル
白いシャム猫を作り出そうとして、シャム猫にアメリカンショートヘア、ロシアンブルー、アビシニアンと交配を重ねて生まれたシャムミックスです。
シャム猫の美しい体形と角度のついた顔のラインに大きく広がった耳が特徴です。
青い目と大きな耳が印象的ですね。
オリエンタルバイカラー
シャム猫にバイカラー(白地に他の色が混じった柄)のアメリカンショートヘアを交配し、さらにシャム猫またはオリエンタルと交配して生まれたシャムミックスです。
外見はオリエンタルで3分の1ほど斑点が入った品種の猫です。
耳が大きくなかったらハチワレ猫と間違えそうです。
オイイーボブ
シャム猫とマンクスを交配したャムミックスです。
シャム猫のような柄に青い目と短いしっぽが特徴ですが、しっぽの長さに特に規定はないようです。
オイイーボブのボブはボブテイルの略なのでしょうか。
カラーポイントショートヘア
シャム猫とアメリカンショートヘアなどの交配からうまれたシャムミックスです。
見た目はシャム猫にそっくりですが、ポイントカラーのカラーが豊富なのが特徴です。
もはや日本猫かキジ白猫にみえますが、やはり違いは青い目になるんでしょうね。
セイシェルワ
セイシェル諸島に生息する猫を再現しようと、バイカラーのペルシャ猫をシャム猫やオリエンタルと交配して誕生したシャムミックスです。
オリエンタルと同じ体型に、まだら模様やスプラッシュ模様が入ります。
しっぽにも必ず色が入ります。
大人になっても3~5kgの小柄な猫で、うちの猫は6.5kgあるから半分くらいだなーと比較してしまいました。
スノーシュー
足の先端が白いシャム猫にアメリカンショートヘアを交配させて偶然誕生したシャムミックスです。
白い足先を持っていますが、この白ソックス模様は劣性遺伝のためなかなか発現しません。
いわゆる白くつ下といわれる模様ですね。
青い目をしているかどうかがスノーシューとそうじゃない猫の見分け方でしょうか。
バーマン
ミャンマー原産の猫で絶滅の危機にあったが、毛色の似ていたシャム猫やペルシャ猫と交配を重ねて生まれたシャムミックスです。
「ビルマの聖なる猫」と呼ばれる伝説あります。
青い目、シャム猫と同じポイントカラーを持ちながら足先白く、首元がふわふわの毛で覆われているのが特徴です。
ふわふわの長毛でシャム猫柄って、高貴な雰囲気が漂う猫種ですよね。
バリニーズ
シャム猫の突然変異で長毛に生まれた猫種です。
シャム猫と同じ柄で長毛の猫です。
バーマンとバリニーズの見分け方に苦戦しそうな気がしてきました。
バーミーズ
ミャンマー原産のウォンマウという猫にシャム猫を交配させたシャムミックス。
濃いブラウン系でゴールドの目を持つ猫です。
ビルマ猫と認識されていて目の色が金色、シャム猫ミックスと言われなければ分からないかもしれません。
ヒマラヤン
シャム猫とペルシャ猫が交配して生まれたシャムミックスです。
シャム猫のような柄と長毛の猫で、ペルシャ猫の一種と認識されています。
完全に偏見ですが、お嬢様な猫のイメージです。
トンキニーズ
シャム猫とバーミーズを交配させたシャムミックスです。
柄はシャム猫で、丸みのある顔つきやしっかりとした体型はバーミーズから引き継いでいます。
模様はシャム猫で上品なのに、がっしりした体型の体育会系な相反するイメージです。
シャム猫の柄はどうやって決まる?
調べていると、シャム猫って言ってもポイントカラーだったり、色が出てるところに縞があったり・・・
どれだけ模様があるんだろう、猫の柄ってどうやって現れるのかなと疑問が沸いてきました。
猫には、キジトラ、茶トラ、黒、白、黒白、三毛、サビなど、代表的なものだけでも16通りの柄があるそうです。
そしてシャム柄の特徴は、顔や耳、四肢の先、しっぽに色がついているポインテッドが特徴ですね。
さらにポインテッドの柄の猫は目が青くなるようです。
そんな規則性があるなんて知らなかった!
シャム猫の柄になる遺伝子
猫の毛色や柄は、9種類の遺伝子で決まっています。
ちょっと中学の理科の授業みたいになってきてしまいますが、メンデルの法則を覚えていますか。
シャム猫のポインテッド柄は「サイアミーズ遺伝子(c遺伝子)」という劣性遺伝子に起因しています。
対になる優性遺伝子はフルカラーC遺伝子で、メラニンを作り出すチロシナーゼの生成に関する遺伝子です。
C遺伝子はチロシナーゼを正常に作るため全体に色がつきます。
劣性遺伝子であるc遺伝子は温度感受性のチロシナーゼを作ると考えられています。
このチロシナーゼは温度が高いと働かず、低くなると働きます。
なので体の末端である体温の低い場所で働いてメラニンを作るためシャム柄は足先やしっぽ、耳などに色がつくようになるのです。
へえ!なるほど!ですよね。
温度によって変化する柄
温度が高いと働かず、低くなると働くチロシナーゼを作るc遺伝子。
そのほかにも季節によって柄が薄くなったり濃くなったりする不思議な現象を起こします。
つまりシャム猫って気温が高い夏は柄が薄くなり、冬になると柄が濃くなるんだそうです。
シャム猫柄の猫を飼われている方はぜひ夏と冬に撮った猫の写真を見比べてみてくださいね。
シャム猫柄の子猫が生まれる確率
優性遺伝子であるフルカラーC遺伝子を1つでも持っているとポインテッドにならず、目の色もメラニンの影響で金色の猫が生まれます。
劣性遺伝のccを揃って持っている猫だけがポインテッドのシャム柄で青い目になるようです。
父猫と母猫がシャム柄じゃなくてもCc遺伝子を持っていて両方からcc遺伝子を引き継いで産まれてきた子猫はシャム柄になります。
確率では4分の1。
どちらかの親がシャム柄だったらもっとシャム柄の子猫が生まれる確率はもっと上がりますね。
同じ母猫から兄弟でまったく異なる柄の子猫が生まれることもよくあるそうです。
また、完全に柄が出るまで1年くらいかかることもあると言われています。
c遺伝子のせいで、子猫の時は体温が高いから柄ははっきりしません。
が、大きくなって体温が下がると柄が出てくるってことですね。
生まれたときは真っ白な猫に見えたのに、成長したら柄が出てきて全く別の猫みたいって可能性も。
生命の神秘!
遺伝子の組み合わせ次第で、雑種の子猫たちは大きくなったらどんな柄になるのかわくわくします。
シャム柄の性格
猫は模様や毛色によって性格が違ってきます。
シャム猫みたいな雑種を飼いたいと思った方は、参考にしてみるといいかもしれません。
そのままシャム猫の性格がそのまま受け継がれるわけではないですよ。
その子の個性を楽しんで、たくさんコミュニケーションをとってくださいね。
甘えん坊
南国タイ原産で短毛、ほっそりした体型のせいか、寒がりの猫が多いです。
そのため短毛な子は特に人と触れ合うことが大好きです。
ひざなどに乗って飼い主さんの体温を感じていたい甘えん坊さんです。
賢く気難しい
とても賢くて、きちんということを聞きます。
ボールを取ってくる、名前を呼べばやってくるなど、犬みたいな一面があります。
おて、おかわり、を教えるとできるようになるらしいです。
賢い分飼い主さん以外に懐かず、気難しい面もあります。
活発
とても活発で、飼い主さんにじゃれて、よく遊びます。
高いところが大好きで、キャットタワーやキャットウォークがあると喜んで遊ぶと思われます。
上るところがなければカーテンをよじ登ってカーテンレールの上に上がってしまうことも。
また、降りられなくなって騒ぐこともあるので注意が必要です。
気が強い
猫らしい気位の高さや自己中心的な面も見られます。
自分が気に入らなければ飛びかかる気の強い一面もあります。
よく鳴く
声が太くて大きい特徴があり、鳴き声はうるさいです。
よくしゃべる猫として知られていて飼い主さんに話しかけるように鳴き続けることも多いです。
静かに猫と暮らしたい方には向いていないかもしれません。
シャム猫みたいな雑種、大きくなったらもようが変わる?!まとめ
シャム猫みたいな雑種が街で見かけられるようになったり、シャム猫ミックスにたくさんの種類が生まれたのは
- 日本でシャム猫の人気が高かったこと
- 放し飼いにされていたこと
- 繁殖力が高いこと
などが理由と考えられます。
シャム猫みたいな雑種は、父親と母親がシャム猫じゃなくても産まれてくる子猫がシャム柄になる可能性もあります。
間違いなく祖先のどこかでシャム猫の血が混じっていると思われます。
青い目をした猫が劣性遺伝という事実は私も初めて知りました。
大きくなったらもようが変わるのは、
- c遺伝子のせい
- 子猫の時は体温が高いから柄がはっきり出なかったけど、大きくなって体温が下がると柄が出てくる
ということが分かりました。
季節によっても柄の濃淡が変化するのもびっくりですね。
シャム猫だと思った子猫に出会って、育てていたら数年後に縞が出てきて違う柄になっていた!
なんてこともあるようです。
雑種の子猫は成長したらどんな柄になるのか楽しみですね。
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