愛猫が骨々しく痩せていると、栄養が足りているか不安になってしまいますよね。
以前私の実家で飼っていた猫は長毛猫だったこともあり、見た目はふっくらしていました。
しかし抱き上げると長毛の奥はゴツゴツしていて、久しぶりに帰省し「こんなに痩せてたの!?」と驚いたものでした。
こんなふうに、猫が痩せすぎているかどうかは、見た目ではなかなか判断できないこともあります。
気づいたら栄養失調になっていた…なんてことがないように、飼い主さんにもできるチェック項目や押さえておきたい知識をまとめてみましょう。
目次
愛猫が痩せすぎ?と思ったら
飼っている猫ちゃんが痩せすぎなのでは?と感じたら、チェックしておきたい項目があります。
ご飯を増やしたり、獣医師さんに相談したりする判断基準にもなりますので、しっかりポイントを押さえておきましょう!
飼い主の触診で痩せすぎチェック
猫ちゃんのことを誰よりもよく知っている飼い主さんの手を物差しにして、猫ちゃんが痩せすぎていないかチェックする方法です。
やり方は、猫の前脚のすぐ後ろにある肋骨を触ってみること。
肋骨のココをチェック!
- 人間の手の甲のように、ほどよく肉厚で骨を感じる感触があれば適正体重!
- 握りこぶしのような硬い感触、骨がゴツゴツしていると痩せ気味。
- 骨っぽさを感じずぷにぷにしていたら、肥満気味。
目視で瘦せすぎチェック
猫がなかなか触らせてくれない!
もっと気軽にパッとチェックできる方法はないの?
という方におすすめなのが、目視でチェックする方法。
目視で見るべき部位
- 横から見たとき、腹部が吊り上がっていると少し痩せている
- 上から見たとき、腰がわずかにくびれていれば適正体型
不健康に痩せてしまっている場合には、骨っぽい体型になるだけでなく毛ツヤも悪くなります。
あわせてよく見ておくようにしましょう!
猫の適正体重を知っておこう
猫が大幅に身体的成長を遂げるのは1歳の誕生日ごろまでといわれています。
よって、生まれてから1年経った時点での体重を目安として知っておきましょう。
月齢 | 体重の目安 |
0週 | 70g~130g |
1週 | 150g~200g |
1ヶ月 | 400g~500g |
3ヶ月 | 1.0kg~1.5kg |
1歳 | 3.0kg~5.0kg |
より細かく平均体重を知りたい!という方は、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
-
猫の平均体重はどれくらい?肥満対策や減量方法も徹底解説
続きを見る
この適正体重の94%くらいまで猫の体重が減ってしまったら、それは痩せ気味といえるでしょう。
適正体重の85%を切ってしまったときには、見た目にも表れるほどの痩せすぎ状態になってしまいます。
自宅で猫ちゃんの体重をはかることができれば、ぜひこの数字を目安にしてみてくださいね。
猫が痩せてしまう原因
では、猫がどんどん痩せ細ってしまうのは何が原因になっているのでしょうか?
考えられる要因をまとめてみました。
フードが口に合わない
痩せてきた猫ちゃんは、最近食べる量が減っていたりしませんか?
もしかすると、何らかの理由で今食べているフードが口に合っていないかもしれません。
猫って味覚にも非常に敏感ですよね。そんな猫ちゃんにご飯を食べてもらう方法や、対策についてまとめた記事がこちら。
-
猫がご飯を食べる量が減った!病気の可能性は?受診の目安も
続きを見る
飼い主さん側の事情でフードを変えなくてはいけなかったり、猫の健康を考えて選んだフードかもしれません。
が、猫って食べないものはとことん食べないんですよね。
単に慣れていない食べ物であれば、苦手意識さえなければそのうち口をつけるようにはなります。
しかし、「これ嫌い!」「これは前に嫌な思い出がある!」と毛嫌いしている食べ物の場合、餓死を選ぶこともあるほど、頑なに食べません。
ストレスによる食欲低下
猫は些細な環境の変化で、ご飯も喉を通らなくなるほど敏感にストレスを感じてしまいます。
部屋の模様替え、見知らぬ来客、人間からすればわずかな変化に思えても、猫にとっては大きなものなんですね。
猫のストレスは、食欲の増減にもつながると言われています。
もし猫の食事量が減っていたら、身近な環境の変化がなかったかどうか振り返ってみると良いかもしれません。
こちらの記事も、参考にしてみてくださいね。
-
猫がご飯を食べない!すぐに病院へ行った方が良い?迷ったときに見て
続きを見る
運動量の増加
室内飼いだった猫を外に出すようになったり、キャットタワーなどの運動器具を買ったり、猫の運動量が急激に増えたという心当たりはありませんか?
活発な種類の猫ほど筋肉が多く、基礎代謝量や必要な摂取カロリー量も増えていきます。
種類や体型、日々の運動量に見合ったカロリーを摂取しなければ、当然ながらどんどん痩せていってしまいます。
運動量が多い猫ちゃんには、総合栄養食などでしっかりとエネルギーをチャージしてあげましょう!
-
本当に良いキャットフードってなんだかわかる?答えは意外かも⁉
続きを見る
-
痩せ気味な猫・子猫にオススメ!高カロリーなキャットフード3選!
続きを見る
高齢化
人間と同じく、猫も高齢になると筋肉量が落ち、骨ばった体型になってくるのが自然です。
しかし注意したいのは、
- 極端に痩せこけている
- しっかり食べているのに痩せてしまう
というケース。
そうなってくると、糖尿病、甲状腺機能亢進症、腫瘍など高齢猫特有の疾病が疑われます。
高齢猫ちゃんは、定期的に動物病院で診てもらったり、こまめに体重測定したりして、異常な体重の減り方をしていないかどうかチェックするようにしましょう。
発情期
猫は、発情期を迎えると食欲が一時的に落ち、体重も低下する傾向にあります。
去勢や避妊の手術をしている・していないに関係なく、またオス猫にもメス猫にも見られる自然な現象なのです。
また、多頭飼いの場合にはそばに発情している猫ちゃんがいるだけで、食事も喉を通らなくなる…なんてことも。
以上の行動が見られる場合には、発情期を迎えている可能性があります。
多少食欲が低下して痩せてしまっても、発情期が終われば徐々に戻っていくでしょう。
猫が痩せる原因となる病気
甲状腺機能亢進症
高齢猫が発症しやすい病気です。
甲状腺が活発化し、以下のような症状がみられます。
- 落ち着きがなくなる
- 食欲旺盛になる
- にもかかわらず、痩せていく
- 目をパッチリと開ける
- 叫ぶように鳴く
糖尿病
猫に多い糖尿病は、中〜高齢の去勢したオスに多いといわれています。
人間同様、体重がみるみる減っていくのも特徴的な症状の1つ。
身体の中で糖分をエネルギーに変えることができなくなる病気なので、タンパク質や脂肪を過剰に消費することになり、どんどん痩せていってしまうのです。
次第に肝臓などにも負担がかかるようになり、嘔吐や下痢、意識障害を起こすケースもあります。
異常なスピードで痩せてしまっている場合には、すぐ獣医師さんに診てもらうのが良いでしょう。
消化管内の寄生虫感染
身体の中に寄生虫が発生すると、その寄生虫に栄養を吸い取られてしまいます。
よって、食べても食べても痩せ細ってしまうのです。
一般的には体重が減ること以外に、嘔吐や下痢がよくみられますが、便の量が多かったり、便のニオイが強いなどの異変が見られたら、疑った方が良いでしょう。
口腔疾患
意外にも猫に多い、口腔疾患。
口内炎や歯周病、など口の中で異変が起きている場合、自然と食事量が減り、痩せてしまうことがあります。
呼吸器疾患
猫は嗅覚が鋭い野生動物なので、その嗅覚が低下するということは食欲に直結するのです。
鼻炎や鼻づまりを起こしている場合には、食が細くなり痩せてしまうことも。
猫の鼻づまりやくしゃみに関する対策について、こちらの記事で詳しく解説しています。
-
猫がくしゃみ連発!元気だけど病院に行くべき?原因や予防策も
続きを見る
消化器疾患
膵臓、肝臓などの消化器官に疾患があると、摂取した栄養分が正常に消化・吸収されず、痩せる原因になることも。
一般的には、痩せ細ってしまう前の段階で食欲不振が起きたり、元気がなくなったりという症状がみられるので、比較的気が付きやすいかもしれません。
ガン
高齢の猫は、10歳を過ぎるとガンができやすくなります。
飼い主さんが抱っこしたときに、猫の身体にしこりのようなものを発見するケースもあるので、しっかりチェックしてあげたいですね。
痩せ細ってしまうのはもちろん、食欲や元気が低下することもよくありますので、日ごろの様子をよく見てあげましょう。
腎臓疾患
腎臓に疾患があると、栄養分や水分が排せつと一緒に体外に排出されてしまい、エネルギー摂取ができなくなってしまいます。
よって、どんどん痩せてしまうのですね。
猫の体重を増やすためにできること
痩せ気味の猫ちゃんの体重を増やしてあげるためにできることは、家庭でもあります。
猫はマイペースでありながらデリケートな生き物。
少しの工夫で大きな変化がみられることもありますよ。
体重を増やすということで、今回は食事に関して飼い主さんにできることをまとめてみます。
痩せてきた猫におすすめキャットフード
痩せ気味の猫ちゃんには、効率的にエネルギーが摂取できる総合栄養食をフードにすると良いでしょう。
こんなフードを選ぼう
- 肉類が第一原料で高たんぱく質
- 脂質・カロリーが高い
- 消化吸収が良い素材を使っている
おすすめのキャットフードをご紹介していきます。
国産・無添加!総合栄養フード【ねこひかり】
国産若鶏を主原料とした総合栄養食。
雑穀と野菜もふんだんに使用しており、国産・無添加にこだわっています。
愛猫家御用達!猫の健康を考える飼い主さんから支持されているフードです。
高たんぱくな白身魚を使用【モグニャンキャットフード】
原料の65%以上が白身魚という高たんぱくなキャットフードです。
安全で高品質な白身魚を厳選しているので消化吸収もよく、猫の身体に優しい仕上がりに。
栄養バランスも完璧!子猫からシニア猫までずっと食べさせてあげられる、愛猫家の強い味方です。
高品質な生肉をふんだんに使用【ジャガーキャットフード】
主原料はチキンと鴨の生肉。
肉食動物である猫ちゃんが大好きな味に仕上がっています。
サーモンやマスなど高たんぱくな原料もふんだんに使用しており、香り・栄養ともに最高級のおいしさ。
アサイーやマルベリー、朝鮮人参など、高級食材をたっぷり取り入れて毎日の健康生活をサポートします。
猫が痩せすぎたときの受診の目安
猫が痩せてきたなと感じたとき、こんな症状がみられたらすぐに動物病院を受診しましょう。
- 体重が1週間で2%以上減ってしまうなど、短期間での激やせがみられる
- 嘔吐や下痢があり、食欲がない
- 痩せ細って元気もない
- 水を異常に飲む
- おしっこの量が多い
- 逆におしっこの量が少なすぎる
そして、動物病院にかかる際にはきちんと猫ちゃんの症状を伝えることが大切です。
主に以下のことを獣医師さんに伝えると良いでしょう。
- 食欲はあるか
- 家での様子(いつも通り元気に遊ぶ、など)
- 以前と比べてお腹が出てきたかどうか
- 嘔吐はあるか
- よだれが多くないか
- 口臭が異常に臭くないか
- 下痢や便秘はあるか
猫ちゃんの様子を一番よく知っている飼い主さんだからこそ分かる様子を、なるべく事細かに先生に伝えてくださいね。
うちの猫痩せすぎ!?原因は?知っておくべき増量方法や対策も:まとめ
猫が痩せ細ってしまう要因はさまざまで、一概に「様子を見てOK」といえないことが分かりましたね。
また、食欲があったとしても体重減少がある場合には注意が必要!という落とし穴があることもお分かりいただけたのではないでしょうか。
適切な対処法や受診のめやすを知って、猫ちゃんの健康を守っていきましょう!