一度なると再発しやすいのが猫の尿路結石。
尿路結石とは
腎臓~尿道の泌尿器で尿中ミネラルが結石化すること。
猫の尿管は0.4mmとかなり細く、放っておくと尿道が詰まって膀胱破裂や尿毒症になる可能性も。
さいあく死亡のリスクもある怖い病気なんです。
猫の尿路結石には食事が大きな影響を与えています。
後半では尿路結石の予防におすすめのフードも紹介しますので、是非さいごまでチェックしてくださいね。
いっしょに愛猫が尿路結石になる不安を解消しましょう。
目次
猫が食べてはいけない物は尿路結石の種類で違う
猫の尿路結石は主に2種類あります。
ストルバイト結石
…尿がアルカリ性にかたむくとできやすい
シュウ酸カルシウム結石
…尿が酸性にかたむくとできやすい
- ストルバイト結石は療法食などで溶かすことができますが、シュウ酸カルシウム結石は溶かせない
- 好発年齢はストルバイト結石は1~6歳、シュウ酸カルシウム結石7歳~
…こんな違いがあります。
(猫の尿路結石はこの2種類で9割をしめています。)
猫の尿はもともと弱酸性~中性。
しかし、食事や生活習慣などの影響で尿phバランスが崩れると、尿中のミネラルが結晶化し尿路結石となるリスクが高まるのです。
ストルバイト結石対策で食べてはいけない物
ストルバイト結石は尿がアルカリ性に傾くことでリスクが高まります。
そのため以下のような食品に注意しましょう。
- 添加物の多いフード
- 消化に悪い物
添加物の多いフード
添加物や調味料が豊富なフードはストルバイト結石の発症率を高めると言われています。
添加物や調味料は肝臓および腎臓に負担をかけることで尿をアルカリ性に傾ける性質があるのです。
特にウェットフードやおやつは嗜好性を高めるために、添加物・調味料を豊富に使う傾向があるので注意が必要。
- 結石の排出
- 尿中ミネラルバランスを整えてくれる
などの効果が期待されています。
ポイント
ウェットフードやおやつは添加物や香料の入っていないものを選択しつつ、量を調整しながら活用すると良いでしょう。
消化に悪い食品
消化中は体内に酸が集まるため、尿はアルカリ性に傾きます。
消化に悪いものを与えると、長く尿がアルカリ性となってしまうためストルバイト結石のリスクがあがる可能性があるのです。
ポイント
猫は肉食で、特に動物性タンパク質の消化能力が優れているので、良質なささみや魚、肉を使ったフードを選択しましょう。
シュウ酸カルシウム結石対策で食べてはいけない物
シュウ酸カルシウム結石は、薬や療法食で溶かすことができず、外科的処置になることが多いのが特徴。
またストルバイト結石用の予防フードを食べ続けることで発症することも。
大事にならないためにも、食事に注意しましょう。
気をつける点は以下の2つ
- シュウ酸やカルシウムが含まれた食品
- ストルバイト結石の予防フード
シュウ酸やカルシウムが含まれた食品
シュウ酸やカルシウムが含まれた食品を控えるようにしましょう。
シュウ酸:セロリ/きゅうり/ナス/ピーナッツ/ブロッコリー/とうもろし…etc
カルシウム:ブロッコリー/チーズ/牛乳/豆腐/ソーセージ…etc
このような食品に多く含まれています。
ポイント
これらの食品には他の栄養や嗜好性もあるため、無くすのではなく量を調整しながら与えると良いですよ。
ただし、シュウ酸カルシウム結石の治療中であったり、既往歴がある場合は避けましょう。
ストルバイト結石の予防フード
最近増えてきているストルバイト結石を予防するフード。
ストルバイト結石予防のフードには尿を酸性化させる成分がふんだんに入っています。
こういったフードを食べ続けたことで尿が酸性に傾きシュウ酸カルシウム結晶になる猫も増えているんだとか。
ポイント
まだ尿路結石を発症したことのない場合は、両方の結石を予防できるタイプのフードを選択すると良いでしょう。
猫の生活習慣を整えて尿路結石を防ごう
前項では尿路結石のために食べてはいけない食品についての話をしました。
実は、尿路結石の治療・予防のためには食事以外にも大事なポイントがあります。
尿路結石の治療・予防のポイント4つ
- 水をたくさん飲む
- オシッコしやすい環境を整える
- 尿のチェックを習慣化する
- 運動する
1.水をたくさんのむ
尿は濃くなると、結石化が進みやすい特徴があります。
よって猫に水分をなるべく摂らせて、排出を促すことが予防法の中でも重要です。
猫の先祖は砂漠などの乾燥地帯にすむ生き物と言われています。
そのためあまり水をのまなくても平気な体の作りに。
もしあんまり飲めてないかも…と感じるのであれば、計画的にあげてみましょう。
【1日の水分の目安】
体重1kgあたり約30ml
⇒体重5kgの猫なら150ml
1日の必要量をあらかじめペットボトルに入れて置き、量を確認してみましょう
水が飲めていないことが分かったら以下の方法を試してみてください
ポイント
- ドライフードにお湯を浸す
- 水の温度や新鮮さなどを猫の好みに合わせる
- 置き場所を変えてみる
また、置き場所を複数にすることで合計の水分量が増えることもあります。
2.オシッコをしやすい環境に整える
前述のとおり、尿の濃度があがると含有ミネラルが結石化しやすくなります。
おしっこの回数は1日1~2回が理想的。
もしも尿の回数や量が少ないと感じる場合は、オシッコしやすい環境を整えてあげましょう。
ポイント
- 清潔に整える
- 猫砂の量が少なすぎないように(砂をかけてかくせるくらい)
- トイレの数を増やす
- トイレの大きさ・形・場所を変えてみる
猫にとって好みのトイレであることは、とても大事なことです。
お気に入りのトイレスタイルを探して、オシッコをしやすい環境を整えてあげましょう。
3.尿のチェックを習慣化する
もし異常があったらすぐに病院に行けるように日頃から尿の状態をチェックする習慣をつけておくこともオススメ。
- いつもよりキラキラしている
- オシッコをする様子がふだんと違う
これらの点に注目しつつ、尿のphをチェックするとより安心できますよ。
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多少のズレがあるとの口コミもありましたが、概ね精度は良好のようです。
猫の正常なphは弱酸性で6~6.5前後。
元気な時に一度測っておくことで比較できますね。
これらのことに気をつけて観察していれば、異常時にもすばやく動物病院を受診できるので安心です。
4.運動
運動することで排尿を促す効果があると言われています。
また、肥満も尿路結石の原因の一つと言われていることから、適度な運動を促すことで尿路結石を予防する効果が期待できます。
猫の尿路結石のためのフードを利用しましょう
尿のphバランスを整えるためには綿密な計算が必要。
手作りではそのバランスを整えるのは至難の技です。
また普通のキャットフードでは尿のphを正常な6.0~6.5にキープし続けるのは難しいようです。
尿路結石の治療や予防には適したフードを使うのが良いでしょう。
尿路結石のためのフードを選ぶポイント
とはいえどんなフードを選べば良いか迷ってしまいますよね。
正しく選ばないと、逆に尿路結石を悪化させてしまうことも。
治療の場合は動物病院で処方してもらうのが基本ですが、知識としてフード選びのポイントを知っておくことは大事です。
尿路結石用のフードを選ぶポイントは4つ
- ミネラルバランス
- 抗酸化成分
- 適度な塩分
- 消化に良い素材
1.ミネラルバランス
尿中ミネラルが過剰になると結晶化するリスクが高くなると言われています。
そうは言っても、ミネラルは骨の形成や血圧調整などに無くてはならない大事なもの。
大切なのはミネラルバランスが整っていることと、過剰でないことです。
尿路結石ができにくいミネラルバランスは
カルシウム:リン:マグネシウム=1.2~1.5:1:0.08~0.1
これらのバランスが整っているフードを選択するようにしましょう。
2.抗酸化成分
アルカリ性に傾いた尿を弱酸性に調整する成分が含まれているフードを選びましょう。
メモ
- クランベリー
- メチオニン
これらの成分が尿を酸性の方向へ傾けることでphを調整する効果があります。
お察しの通り、シュウ酸カルシウム結石の治療や既往のある場合は、病状の進行や再発の可能性が高まる可能性があるので控えましょう。
3.適度な塩分を含む
尿路結石の予防のためには、尿量を増やして尿中ミネラル濃度を薄めることが大事。
塩分が適度に含まれたフードを選ぶことで、尿量を増やすことが期待できます。
猫の塩分は2~3g/日が適量と言われています。
年齢や種類により異なりますが、フードを選ぶときの目安として覚えておきましょう。
4.消化に良いものを
尿路結石を予防するためには、肉や魚などの動物性タンパク質を使用したフードがおすすめです。
というのも、猫は動物性タンパク質の消化が得意なのです。
前述のとおり食べ物を消化しづらいと胃酸を分泌する時間が長くなる関係から、尿がアルカリに傾く時間が長くなります。
その通りです。
ストルバイト結石予防のためにも、良質な肉や魚などの動物性タンパク質を使用したフードを選びましょう。
目的に合わせて選ぼう
尿路結石のためのフードには、大きくわけて2つのジャンルがあります。
- 療法食
- 予防食
それぞれ、目的にあわせて正しく選択しましょう。
【療法食】獣医師の処方で利用する
ストルバイト結石はフードや薬で溶かすことができるので、時間をかけて溶かすことが治療の一つ。
ただし獣医師の判断に基づき利用することが大前提となります。
なぜなら結石の種類の特定は難しく、適切な薬やフードの選択が素人にはできないためです。
さらにもし選択を誤れば、逆に尿路結石の進行を進めてしまうことも。
以上のことから、動物病院で処方された療法食を利用しましょう。
- ロイヤルカナン『ユリナリーシリーズ』
- ヒルズ社『s/d、c/dシリーズ』
- ペットライン『ドクターズ尿石ケア』
- ネスレ『ピュリナ下部尿路ケア』
- ファルミナ『ベットライフ尿路ケア』
これらが実際にペットショップでも処方されているフードです
再発の可能性があることから長く利用することも多い療法食ですが、これだけ種類があるので相談しながら猫の好みで変えることもできますよ。
少量のお試しパックも充実しているので、試してから購入もでき安心です。
また、尿路疾患用のおやつも販売しています。
こちらも獣医師に相談しながら利用することで、変化を楽しむことが可能です。
▼人気のチュールも下部尿路配慮版があります
口コミを見ると「他のチュールは食べるけど、これは食べない」との声もありますが、「これと混ぜることで尿路結石の薬も食べれた」との声も。
試してみる価値はありそうですね。
ただし、病状によっては悪化や再発の可能性もあるので、利用は獣医師に相談後がマストです。
【予防食】フードで尿路結石を予防
そう考えている方も多いのではないでしょうか。
そんな人は尿路感染の予防効果が期待できるフードを取り入れてみましょう。
ストルバイト結石専用の予防食もありますが、抗酸化成分が多めに入っている傾向に。
そのため、健康な猫が常用すると、尿が酸性になりすぎてシュウ酸カルシウム結石が発生することも。
尿路結石の既往歴が無い場合は、ストルバイト結石専用の予防フードではない物を選ぶのが良いでしょう。
おすすめは『カナガンキャットフード』
尿路結石専用の予防フードでは無いものの、予防効果の高い成分配合なのが『カナガンキャットフード』の特徴。
ミネラルバランス | ◎ | カルシウム:リン:マグネシウム=1.58:1.1:0.09 |
抗酸化成分 | ◎ | クランベリー配合 |
タンパク質 | ◎ | 上質なチキンを60%以上配合 |
小さめの粒で2か月の子猫~シニア猫に幅広く対応しているので長く使えますよ。
グレインフリー(穀物不使用)・香料・着色料不使用なので安心してあげれますね。
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▼万が一、療法食や予防食を食べない場合は以下も試してみてくださいね
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猫の尿路結石予防のために気を付ける食品は結石の種類により違います。
ストルバイト結石に対しては、添加物や消化に悪い食品を避けましょう。
シュウ酸カルシウム結石に対しては、シュウ酸やカルシウム、ストルバイト結石用の予防フードを避けると良いでしょう。
その他にも飲水量・トイレなど生活習慣を見直すことで、尿路結石の予防につながります。
これらを整えることで、猫との健やかな生活を長く楽しめるでしょう。
予防食を取り入れたい人は『カナガンキャットフード』を試してみてくださいね。