このようなお悩みにお答えします。
高齢のシニア猫は、急に後ろ足に力が入らなくなったり、ふらついてよろけてしまったりして心配ですよね。
昔飼ってたシニア猫ちゃんも急に立てなくなって、慌てて病院に行ったことがありました。
レントゲンを撮った結果、脱臼だったようで、少し高いところから降りた拍子になってしまったんじゃないかとのこと。
あれだけ軽々と飛んだり下りたりしていた猫も、筋力の衰えからちょっとしたことで怪我をするんだと痛感しました。
うちの子は脱臼でしたが、他にも後ろ足に力が入らなくなって急に立てなくなる原因がいくつかあります。
あなたの愛猫のいつもと違うしぐさや行動があった場合、怪我や病気を知らせてくれているのかもしれません!
そこで今回は、後ろ足が動かなくなる原因とその対処法、またそうならないための予防法をお伝えします♪
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※専門家が目的別に徹底解説しています。
目次
後ろ足に力が入らない原因として考えられること
怪我
皮膚炎や、やけど、爪が肉球に刺さるなど足の裏の怪我や、高い所から飛んだり、フローリングなどで滑ったりすると、脱臼、骨折をすることがあります。
現れる症状
- 立てない
- 痛がる
治療法
皮膚炎ややけどには薬での治療、骨折の場合は手術かギプス、脱臼は整復と固定、場所によっては手術になります。
注意ポイント
骨肉腫や骨軟骨腫などの骨の腫瘍が原因で骨がもろくなっていて、知らない間に骨折している可能性も。
貧血
血液中の赤血球が少なくなることです。
赤血球は酸素を運ぶ役割を担っているため、貧血が進むと体中に酸素が届かなくなります。
私たち人間も貧血を起こすと目の前が暗くなって倒れたりしますよね。
重篤化するとあらゆる臓器が正常に働けなくなるため命に関わる可能性もあるので注意が必要です。
現れる症状
- ふらついたりよろける
- 動くのを嫌がる
治療法
基本的には薬を使用しての治療ですが、症状が重い場合には輸血が行われます。
注意ポイント
貧血にならないためには日頃から栄養バランスのとれた食事をさせることも大切です。
脳腫瘍
脳にできた腫瘍が神経を圧迫することなどにより、歩行の異常や痙攣、麻痺などの症状が現れます。
- 「原発性脳腫瘍」 ・・・脳そのものに腫瘍ができること
- 「転移性脳腫瘍」 ・・・別の場所にできた腫瘍が脳に転移すること
現れる症状
- うまく立てない
- ふらつく・よろける
- 痙攣・麻痺
- 性格が変わる(攻撃的になる)
- 失明
猫の脳腫瘍は悪性のケースが多いので、様子がおかしいと思ったらすぐ病院へ!
治療法
外科手術・放射線療法・化学療法・投薬などになりますが、手術や放射線治療はできる病院が限られているので、事前に行える病院を探しておきましょう。
注意ポイント
初期段階では、なんとなく元気がなかったり、食欲がなかったり、老化による変化のように見えたりします。
また、認知症に似た症状もあるため、すぐに脳腫瘍に気付くことは難しいと言われています。
心筋症
心臓が正常に動かなくなる病気で、高齢猫の循環器疾患の中で特によく見られますね。
心筋症になると血液がうまく流れなくなり、血液が固まりやすくなってしまうのです。
そのため「血栓塞栓症」を引き起こすのですが、後ろ足と腹部の境目付近に発症しやすいという特徴があります。
血流が妨げられることで後ろ足が急に冷たくなり、痛みが生じて足を引きずったり、麻痺して歩けなくなったりします。
もちろん血栓は後ろ足だけに行くとは限らないので、呼吸困難などの他の症状だけが出ることもありますが、心筋症は突然死を招くこともある恐ろしい病気です。
無症状でも健康診断で偶然見つかり、治療に繋げられることもあるので定期的な健康診断を怠らないようにしましょう!
現れる症状
- 後ろ足を引きずって歩く
- 力が入らない
- 呼吸が荒くなる
- 咳をする
- ぐったりとうずくまる
- 失神を繰り返す
治療法
心筋症の薬は、血圧降下剤や抗不整脈薬などの薬がありますが、それらは「進行を緩やかにする」のが目的で、全段階では完治できる治療はありません。
注意ポイント
血栓がつまると後ろ足が異常に冷たくなり、肉球の色が白っぽくなります。
おかしいなと思ったら必ず確認するようにしましょう!
すぐにでも受診すべき症状
怪我も病気も、早期発見・早期治療が大切になります。
下記のような症状が見られる場合、すぐに動物病院へ!
- うまく立ち上がれない
- 足を引きずる
- 後ろ足が冷たい
- 痙攣や麻痺がある
- 呼吸が荒い
- 心拍数が早い
- 咳をする
- ぐったりしている
獣医さんに症状を伝えるポイント
- いつからどのような歩き方をしていたか
- 怪我の場合思い当たることはあるか
- 体が熱い・下痢など他の異常が無いか
その他、気になることがあったら合わせて伝えましょう。
症状が伝えやすいので、動画を取っておくのもおすすめです。
大事なのは症状が出る前の健康な時からの予防
高齢になるとどうしても体調が悪くなりやすくなります。
また、心筋症は若いうちから発症することもある病気です。
それを重症化させないためにはやっぱり早期発見しかありません。
それには若いときから健康診断をすることが一番効果的!
できれば同じ動物病院にずっと通うのが理想ですね。
小さいころからのカルテがあれば、獣医さんも変化に気付きやすいです。
うちの愛猫は、子猫の頃からずっと同じ動物病院でみ診てもらっています。
慣れると獣医さんや看護師さんとコミュニケーションが取りやすくなるのも魅力ですね♪
ただ、愛猫には「あそこは病院だ」とバレているので、結構早い段階で抵抗が半端ないですが。笑
ポイント
家でできること
心筋症になると心臓がなんとか全身に血を送ろうと頑張るため、心拍数が上がります。
それを判断するためにも日頃から愛猫の「心拍数」を計っておきましょう。
猫の胸に手をあてて15秒間拍動を数え、それに4倍した数が1分間の心拍数になります。
ジッとしているのに正常値を超えているようであれば、何か体に異常がある可能性が高いです。
遺伝子検査
心筋症は遺伝子の変異も原因だと分かってるので、遺伝子検査を検討してみてもいいかもしれません。
高齢猫の後ろ足に力が入らない!!その原因は何?対処法と予防法:まとめ
後ろ足に力が入らない原因は怪我や病気が考えられる
いつもと違う症状があればすぐにでも動物病院へ
遺伝子検査で分かる病気もある
健康なときから健康診断をして、早期発見・早期治療をする
心筋症や脳腫瘍は、治療が遅れてしまうと生命にかかわる大きな病気です。
また、ケガもすぐに見つけて治療に進めば、その分愛猫の痛みを早く和らげてあげることができます。
病気は、いつ愛猫の身に降りかかるか分かりません。
納得のいく治療をしてあげるために、できる限りのことはしてあげたいですね。
高齢期に入った猫は特に日頃からよく観察し、少しの変化でもすぐ気付いてあげられるようにしましょう!
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